2005年01月02日
「キリストにある平和」
エペソ人への手紙 2章11〜22節

 2004年には、いろいろな出来事が起きました。わが国においては10回におよぶ大型台風の日本上陸と新潟中越地震によって多くの町々が災害を受け、また幼い子どもたちが殺されるという凶悪事件が起きました。世界では、イラクやパレスチナにおいてなお戦いや争いが続いています。それにごく最近、スマトラ沖の大地震が引き起こした大規模な津波によって、10万人以上の人々が犠牲者になり、多くの国々の海岸沿いの町々が壊滅的な災害を受けました。そのような中にも望みがあります。人々の平和への地道な努力や被災国、被災地に対する国家規模での大型援助・協力などです。新しい年が平和な1年であることを心から願います。今朝は「キリストこそ私たちの平和」であることを学びましょう。

 I キリストは隔ての壁を打ちこわした
 イエスさまが来られるまで、神殿には異邦人の庭があって、異邦人はその庭にのみ入ることを許され、そこで神様を礼拝しました。しかしそこより内側に入れば、ユダヤ人から殺されても文句は言えませんでした。その上多くの異邦人はまことの神様を知らず、イスラエルの人々の受けている契約や希望から除外されていた人たちでした(11-12節)。しかしキリストがこの世に人となって来てくださったので、ユダヤ人と異邦人を隔てている壁であり、敵意--それはさまざまな規定からなりたっている律法--が、イエスさまの十字架によって廃棄されました。こうして両者はキリストにあって一つのからだにつくりあげられたのです(14-15節)。

 II キリストにあってすべての人は神と和解した
 キリストの十字架は、ユダヤ人も異邦人もすなわち世界中のすべての人をこれまで敵対していた神様と和解させる尊いわざです(16節)。キリストにあってすべての人は神様に近づくことできるようになり、すべての人はキリストにあって一つになれるのです。それが教会です(18-20節)。人として来られたキリストご自身が、またペンテコステの時からは聖霊に導かれて弟子たちが、遠くにいた異邦人にも、近くにいたユダヤ人にも平和の福音を宣べ伝えました(17節)。こうして国と国との間の、人と人との間の敵意が葬り去り、和解が実現するのです。教会すなわち神の家族になって初めて世界に平和がもたらされます。私たちの希望もそこにあります。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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