2005年4月10日
「罪を赦す権威を持つ方」
ルカの福音書 5章17〜26節

 主イエスが公生涯でなさったことは、教えることとさまざまな奇蹟です。主はご自身のことを中心に神の国のことを語りましたが、最終的な目的は、人々がご自分を神の御子であり、救い主であると信じることでした。主はまた当時の人々をあわれんで、病で苦しんでいる多くの人々をいやしました。しかしそれらの奇蹟は同時に、主イエスが神の御子であることを証拠だてるものなのです。

 I. 主イエスは罪を赦す権威を持っておられます。
 主イエスがある家で大勢の人々に教えておられたとき、男たちが、中風を患っている人を、床のまま屋根の瓦をはがし、主の前につり降ろしました。主イエスは彼ら(本人と4人)の信仰を見て、「友よ。あなたの罪は赦されました」と言われました(20節)。ところがそばにいた律法学者、パリサイ人とたちはこう言ったのです。「神をけがすことを言うこの人は、いったい何者だ。神のほかに、だれが罪を赦すことができよう」(21節)。確かに神様しか罪をゆるすことができません。もしイエスさまがただの人間に過ぎなかったとしたら、主が言われたことは神を冒涜することになります。しかし主イエスは本当に神の御子なのです。主はこう言われました。「『あなたの罪は赦された』と言うのと、『起きて歩け』と言うのと、どちらがやさしいか」(22節)。当然ながら後者の方がやさしいのです。

 II. 主イエスはその権威を持っておられることを証拠立てるためにいやしを行いました。
 「今日のみことば」にあるとおり、主イエスが中風の人に命じると、その男は、たちどころに人々の前で立ち上がり、寝ていた床をたたんで、神をあがめながら自分の家に帰って行きました。主が行った奇蹟は、主イエスこそ神そのものであり、罪を赦す権威を持っておられることを証明したのです。主は罪を赦し、またさばく権威を持っておられます。主が御父に次のように祈られた通りです。「それは子が、あなたからいただいたすべての者に、永遠のいのちを与えるため、あなたは、すべての人を支配する権威を子にお与えになったからです」(ヨハネ17:2)。中風の人は、恐らく病気を直してもらうために主イエスのところに連れて行ってもらったと思われます。しかしその人の一番の問題は、罪の赦しだったはずです。彼は心の中で罪が赦されることを願っていたのでしょう。主はすべてをご存じであり、私たちが最も必要としていることに答えてくださいます。私たちは、からだの弱さを覚えるとき、主の御前に、強くしてくださいと祈るべきです。しかしその前に必要なことは、罪が赦されることです。主は、私たちの罪を赦し、みこころのままに、病をもいやしてくださいます。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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