2005年10月09日
「蛇のようにさとく、鳩のように素直でありなさい」
マタイの福音書10章16〜23節
 私たちは教会と家を中心に生活をしていますが、当然この世に出て行かねばなりません。職場で働き、学校で勉強し、隣近所の人たちと関わりを持ちます。そこで多くのまだイエス・キリストを知らない人たちと接します。機会が与えられる時、主の恵みをあかしします。私たちが関わる人たちの中には、クリスチャンに好意的な人たちもいれば、敵対的な人たちもいるでしょう。主イエスは弟子たちを町々村々に遣わすに当たって--これから後の宣教にも当てはまりますが--心構えを教えました。その原則と実践を学ぶことは私たちにとって有益です。

 I. 原則--蛇のようにさとく、鳩のように素直でありなさい。
 弟子たちをこの世に遣わすのは、狼の中に羊を送り出すようなものです(16節)。弟子たちにとって狼とは、祭司長、パリサイ人、律法学者などユダヤ人の指導者や反感をもつ群衆と考えられます。弟子たちは羊のように何の武器も持っていません。そこで必要な心構えが、この原則です。蛇は一般には悪い例として使われますが(創世3:1,14、マタイ7:10など)、ここでは蛇のように「賢い、思慮深い」の意味です。同時に鳩のように「素直さ、純真さ」が必要になります。弟子たちが出ていって福音を宣べ伝える時、人々から受けることが十分予想される敵意や迫害、侮辱に対して、あらかじめ備えなければなりません。ことば遣いにしても態度にしても上から与えられる「賢さや思慮深さ」が必要であり、同時に「単純に、素直に、率直に」自分自身を提示していくことが求められます。

 II. 実践--御霊を信頼して、すべてをゆだねることです。
 弟子たちに敵対する人々は、主イエスのゆえに、彼らを地方議会に引き渡し、有罪にし、会堂でむち打ちにします。さらに総督たちや王たちの前に連れて行きます。そのような裁判の席で弟子たちはキリストの福音をあかしするのです(18節)。人々の取り調べや尋問に答えることは、すなわち福音を語ることなのです。その時あらかじめどのように語ろうか、何を話そうかと心配するには及びません。聖霊が弟子たちに働いて、語るべきことば、話すべき内容をみな示してくださるからです(19-20節)。賢くかつ素直に弁明し、あかしするのです。これからの伝道活動で時には肉親同士が憎み合うようになることも覚悟しなければなりません。弟子たちはイエスの名のゆえに人々から憎まれます。しかし最後まで堪え忍ぶなら救われます(22節、24:13参照)。同時に迫害を受けたとき隣の町に逃れることも必要です(23節)。それは福音を他の町々の人々に伝えるためです(使徒8:1以下参照)。いずれにしても何を語り、どのように行動すべきかは、すべて御霊が導いてくださるのです。主イエスと聖霊に信頼して行きましょう。
  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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