2006年04月09日
「主イエスの十字架」
受難週礼拝
マタイの福音書 27章32〜56節
 今日は「しゅろの日曜日」で主イエスがダビデの家系を継ぐ、ユダヤ人の王としてエルサレムに入城した日です。集まった群衆はしゅろの木の枝を取って、自分たちの王を歓迎しました。しかし、今週の金曜日には主は十字架にかけられて死なれました。今日は主イエスの十字架の意味について学びましょう。

 I. 主イエスは十字架から降りませんでした。
 主は、木曜日の晩、ユダの手引きで捕らえられ、祭司長、長老、律法学者たちの手に渡されて裁判にかけられ、有罪の判決を受けました(26:63-66)。最終的にはポンテオ・ピラトの前で十字架刑が確定し(27:22-26)、死刑執行者のローマの兵士たちの手に渡されました(27-31節)。
 十字架につけられた主イエスを遠くから見ながら、群衆はののしって、言いました。「もし、神の子なら、自分を救ってみろ。十字架から降りて来い。」(39-40節) 同じように、祭司長たちも律法学者、長老たちといっしょになって、イエスをあざけって言いました。「彼は他人を救ったが、自分を救えない。イスラエルの王さまなら、今、十字架から降りてもらおうか。そうしたら、われわれは信じるから。」(41-42節)そして、神もイエスを救うことができないとあざけりました(43節)。主イエスは本当に無力だから十字架につけられてしまったのでしょうか。無力だから、十字架から降りることができないのでしょうか。全く違います。全人類を救うためには、罪のない神の御子が十字架にかかって、死なれる以外に方法はなかったのです。

 II. 主イエスは神のさばきを受けられました。
 主が十字架につけられてから3時間たった、昼の12時頃から3時まで、全地が暗くなりました。3時頃主はヘブル語で、「わが神、わが神。どうしてわたしをお見捨てになったのですか。」と大声で叫ばれました(46節)。主イエスはこの3時間、御父から完全に捨てられました。つまり、全人類の身代わりになって、神のさばきを受けたのです。私たち人間が、まだ誰も経験したことのない刑罰です。こうして私たちの救われる道が開かれたのです(Iペテロ2:24)。

 III. 主イエスは贖いのみわざを完成しました。
 主が十字架の上で、息を引き取られたとき、神殿の幕が上から下まで真二つに裂けました(51節)。この幕は神殿の聖所と至聖所との間を隔てていた大きな垂れ幕で、年に一度やぎと子牛の血を携えて至聖所に入り、民全体の罪の贖いをしたのです(ヘブル9:7、レビ記16:15-17)。この幕が裂けたことによって、人は誰でも主イエスという垂れ幕を通して神の御許に行くことができるようになりました。ここに救いのみわざが完成したのです(ヘブル9:11-12)。私たちがしなければならないことは、主イエスを救い主と信じ、心の中に受け入れることです。
  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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