2006年12月17日
「家畜小屋でのお誕生」 
ルカの福音書 2章1〜12節

 クリスマスは、神の御子イエスさまがその尊い御位から降られて、人としてお生まれになったお誕生を心からお祝いし、礼拝をささげる日です。その神の御子は、しかし、裕福な家の豪華な寝室でないことはもちろん、普通の家の暖かい部屋でもなく、もっとも貧しい家畜小屋でお生まれになり、布にくるまれ、飼葉おけに寝かされたのです。今朝は神様が人となってこの世に来てくださった事実と意味を考えてみましょう。

 I. イエス様はユダヤのベツレヘムで生まれました。
 ローマの時の皇帝はアウグストで、ユダヤはシリヤの総督クレニオの管轄下に置かれていました。アウグストは全世界の人々に住民登録をするように命じたため、ユダヤの人々はそれぞれの家系の町に向かって行きました。マリヤの夫のヨセフは、ダビデの家系でもあり、血筋でもあったので、ナザレからダビデの町ベツレヘムへ身重の妻マリヤとともに上って行きました。マリヤを連れて行った理由は、第一に、マリヤのおなかに宿っている赤ちゃんは聖霊によってみごもった聖なる方、神の子と呼ばれる大切な方だから、ナザレに残すことはできなかったのでしょう。第二に、もしマリヤがナザレで出産するとなると、彼らの結婚生活は何ヶ月か足りないはずだから、マリヤは中傷と疑惑と好奇の目で見られるかも知れない、と恐れたと思われます。第三に、これが一番大切なことですが、主の救いのご計画の中で、主がすべてを用いる形で、二人をダビデの町へ導かれたと考えられます。しかし、大勢の人々のごった返すこの小さな町で、彼らは泊まる宿屋を見つけることができませんでした。二人が泊まることを許されたのは、家畜小屋でした。イエス様はそこでお生まれになったのです。

 II. イエス様は最も貧しくなって生まれてくださいました。
 イエス様が家畜小屋で生まれ、布にくるまって飼葉おけに寝かせられました。宮殿のようなすばらしい家の暖かいベッドの上ではなかったのです。神様であるイエス様は、私たち全人類を救うために、人となって生まれてくださいましたが、王様や金持ちを救うためではなく(もちろんどんなに身分の高い人でも救うことができますが)、どんな貧しい人々でも救いたいと思われて、最も貧しい人々の所まで降りてきてくださいました。「あなたがたは、私たちの主イエス・キリストの恵みを知っています。すなわち、主は富んでおられたのに、あなたがたのために貧しくなられました」(IIコリント8:9)。そして33年間当時の人々と全く同じ環境の中で普通の人間と同じように生活されました。だから私たちの悲しみや悩み苦しみ、そしてささやかな喜びもわかってくださり、助けてくださるのです。このクリスマスの時期に、マリヤとヨセフを迎えることのできなかった宿屋のような心ではなく、このお方を心の中にお迎えしませんか。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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