2007年03月04日
「世の終わりの前兆」
ルカの福音書 21章5〜19節

 世の終わり、終末ということばは多くの人々を不安にします。世の終わりが、地球と太陽系の破壊に伴う人類滅亡の時かも知れないと考えると、言い知れぬ不安な気持ちになります。しかし、クリスチャンは、聖書から世の終わりについて正しく教えられ、終末に備えた生き方ができるのですから、多くの人々のことばに惑わされないのです。主イエスは、宮にあるすばらしい石を弟子たちと見ながら、世の終わりの前兆について、続いてエルサレムの陥落について(20-24節)教え始められました。

 I. にせキリストに惑わされてはいけない。
 弟子たちの質問(6節)の後半部分に答える形で、主イエスはこの世の終わりが来る前のしるしについて教えられました。最も気をつけなければならないことは、反キリストの出現です。イエスの名を名乗る者たちが大勢現れて「私がそれだ」とか「時が近づいた」とか言うのです(8節)。今すでに私たちの周りにいる「ものみの搭」や「モルモン教」、「統一協会」などの異端は、共通してイエス・キリストを救い主として否定します。「統一協会」の文鮮明は、自らを再臨のキリストと主張しています。この世の終わりにはさらに多くの反キリストが現れます。だから、彼らについて行ってはならないのです。それは主ご自身の警告です。

 II. 戦争や暴動、民族間や国家間の対立、大地震、疫病、ききんなどの発生は、まさしく前兆である。
 この表題にあるような人々を不安に陥らせる出来事も世の終わりの前兆に他なりません(9-11節)。これらのこともすでに世界の各地で発生しています。私たちは世界の紛争地域に平和が実現することを願って、いつも祈っていますが、なかなか平和な世界になりません。各地に発生する大地震や、疫病、ききんなどの災害に対しては国連や各国の多くの機関や、キリスト教系を始めさまざまな援助機関が率先して救済の手を差し伸べています。それはそれで大切な働きですが、この終わりにはさらに多くの恐ろしい出来事が起こります。それは世の終わりが近いことを示しているのです。

 III. クリスチャンは捕らえられ、迫害され、裁判にかけられる。
 初代教会の使徒たちが、かつて迫害されたように、世の終わり近くになると主の弟子たちは、キリストの名のゆえに捕らえられ、裁判の席に立たされます(12節)。それはできれば避けたいことに思えますが、むしろ主イエスをあかしする良い機会となります(13節)。どのように弁明するかはあらかじめ考えなくて良いと主は言われます。それは主ご自身が最もふさわしいことばを与えてくださるからです(15節)。これは言い換えれば聖霊のお働きと言えましょう(マルコ13:11参照)。その他にもキリスト者は肉親からも裏切られ、みなの者に憎まれると主イエスは言われます(16-17節)。でも最後まで忍耐して従うことです。主の見守りと、勝利が約束されているからです(18-19節)。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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