礼拝説教

2008年10月19日

「異邦人にも聖霊の賜物が与えられる」
使徒の働き 10章44節〜48節

 聖書の中の教えにはいくつか重要なことばがありますが、「聖霊」はその一つです。しかし、その意味を十分に理解することはかなりむずかしいのです。でも理解するためのヒントも少なくありません。大変な作業になりますが、聖書全体に書かれていることを一つ一つ理解していくことが大切です。使徒の働きには聖霊についてその歴史的な背景の中で聖霊の働きがあり、その動きのある聖霊をまず理解することが大切です。次に主イエスやパウロなどの教えと比較しながら、全体的に理解するのです。

 I. 異邦人にも約束の聖霊が与えられた。
 ペテロはコルネリオの家に集まっていた人たちに、十字架と復活を中心に福音を語り続けました。次のことばは大切です。「イエスについては、預言者たちもみな、この方を信じる者はだれでも、その名によって罪の赦しが受けられる、とあかししています。」(43節)これに続いてペテロはなおもこのことを中心に語り続けたのですが、人々の反応については記されていません。しかし、コルネリオたちは、自分たちの罪を認め、主イエスを救い主と信じたと思われます。なぜなら、みことばに耳を傾けていたすべての者に聖霊が下ったからです(44節)。しかしこの事実は、いっしょにいたユダヤ人の信者を驚かせました(45節)。これまでは、あのペンテコステの時にユダヤ人たちに下った聖霊は、サマリヤの人たちに下っても、まだ異邦人には下っていませんでした。聖霊が下ったことの証拠は、彼らが異言を話し、神を賛美していたからで、この現象はペンテコステの時と同じだったのです(2:6-11)。かくて異邦人もユダヤ人と同じ罪の赦しと聖霊の賜物をいただける恵みにあずかったのです。

 II. 異邦人も救われ、教会の一員に加えられた。
 ペテロはこう結論づけました。それが「今日のみことば」にあるペテロの結論であり、勧めです(47節)。彼ら異邦人も、イエス・キリストを信じることによって、罪の赦しと聖霊という賜物が与えられることが証明されたのですから、バプテスマを受けさせない理由は何もありません。ここに彼らもみな、ユダヤ人と同じ教会の一員となる資格が与えられました。もはや、異邦人は、キリストにあってユダヤ人およびサマリヤ人と区別する必要がなくなりました。同じ一つの教会に属するキリスト者なのです。だから、ペテロは彼らに「イエス・キリストの御名によって」バプテスマを受けるように命じました(48節)。現在の私たちは、主イエスがお命じになった通り、父と子と聖霊の御名によって洗礼を受けますが(マタイ28:19)、その代表として「イエス・キリストの御名」を出したものと思われます。教会はいよいよ全世界がその視野に入ることになったのです。1章8節の主イエスのご命令・約束は、またしてもその通りになりました。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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