礼拝説教

2009年1月18日

「救い主が来られるまで」
使徒の働き13章13〜22節

 パウロによる第1次伝道旅行は、バルナバの郷里キプロスを経て、小アジヤへと進んで行きます。しかし、パンフリヤのペルガに渡った所で、一行のうちヨハネ・マルコ(後年のマルコの福音書の著者)は、一行から離れて、エルサレムに帰ってしまいました。その理由は定かではありませんが、伝道方法や伝道場所について意見が違ったのかも知れません。パウロたちは、ピシデヤのアンテオケに行き、安息日に会堂に入り、会堂の管理者から依頼されて、同胞のユダヤ人たちに福音を語りました。

 I. 神は民をエジプト、荒野、カナンの地で養い導かれた。
 パウロの説教は、神がイスラエルの民を450年にわたって導いてくださった歴史を語って、その中で生きて働かれた神に目を向けさせます。イスラエルが歩んだ道、経験した出来事は、聖書を離れて見るとき、確かに客観的に捉えることができる歴史的事実ですが、それでは歴史の本当の姿を理解することができません。神を信じていない多くの歴史家は、聖書を抜きにして歴史を捉えますから、どうしても表面的な解釈になってしまいます。神は、アブラハムを始め族長時代を多くの民族の中から選び、ヨセフが宰相としてエジプトを支配しているときにエジプトに導きました。そこで神は400年の間彼らを養い、その数をふやし、モーセを指導者として立てて、エジプトから導き出しました(17節)。神は約40年にわたって今日シナイ半島と呼ばれている荒野で彼らに食べ物と水を与えて養いました。その後神は、ヨシュアを指導者に立ててヨルダン川を渡らせ、カナンの地に導いて、7つの民を滅ぼして、その土地を相続財産として彼らに分配しました。このように歴史を動かして来られた方はイスラエルの神なのです。

 II. 神はサウルやダビデなどの王たちを立て民を導かれた。
 イスラエルの民たちのカナンの地での戦いと土地の分割に10年ほどかかり、その後神は、10人のさばきつかさたち(師士たち)を遣わして、約300年の長きにわたってイスラエルを回りの国々の弾圧から救い、導きました。こうして最後の師士であり、預言者であるサムエルの時代を迎えました(20節)。サムエルの時に民は、回りの国々の王たちによる統治に引かれて、王をほしがったので、神はベニヤミン族の人、キスの子サウロを40年間お与えになりました。サウロはしかし、神に従わず、みこころに叶わなかったので、神は彼を退け、代わりにダビデを立てて王とされました。ダビデには兄たちが7人いて、彼の父エッサイやサムエルも当初、外見から見て、これら兄たちの中から王が選ばれると考えていたのですが、主の選びは一番下の息子ダビデでした(I サムエル16:1-13)。確かにダビデは主のみこころにかなった者で、最後までみこころにそってイスラエルを導いた王だったのです(22節)。以上のように、イスラエルを、全世界を、真に導かれたお方は主なる神に他なりません。「今日のみことば」の通りです。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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