礼拝説教

2009年5月17日

「みことばをどのように聞き、応答するか」
使徒の働き17章5〜15節

 パウロたち一行は、テサロニケの会堂で主イエスの十字架と復活の福音を語り、(旧約)聖書に基づいてユダヤ人や他の人々と論じました。彼らのうちの幾人かはよくわかって、主を信じました。他に神を敬うギリシャ人たちが大勢おり、貴婦人たちも少なくなかったのです。ところがパウロたちに敵対し、迫害するユダヤ人たちがいました。彼らは、みことばをどのように聞き、どのように行動したのでしょうか。

 I. みことばを曲解し、妬んでキリスト者を迫害する。
 ユダヤ人たちは会堂で、パウロから福音を聞いたはずです。しかし、彼らの中でイエスを信じる者たちが何人か起こされ、さらにギリシャ人たちや貴婦人たちも大勢いたのを見て、妬みに駆られてしまいました。モーセを第一とする自分たちの信仰を捨てて、主イエスを信じる人たちが次々に起こされるのを見て、我慢ができなかったのでしょう。彼らは、町のならず者を駆り集め、暴動を起こして町を騒がせ、パウロたちが滞在していたと思われるヤソンの家を襲い、ふたりを人々の前に引き出そうとして捜しました。しかし、見つからないので、ヤソンや兄弟たちを町の役人たちの所へ引っ張って行き、6-7節のような訴えをしました。彼らは神の国の王である主イエスを全く理解せず、ローマの王、カイザルに代わる王だと主張したのです。彼らユダヤ人が心からローマに従っているとは思えません。彼らは、自分たちの考えを決して変えず、使徒たちから福音を聞いても、それを理解しようと努力もせず、同胞ユダヤ人たちが求め続けていたメシヤがイエス・キリストだと信じないのです。

 II. 熱心にみことばを聞き、毎日聖書を調べる。
 そこで、兄弟たちは、すぐさま、夜のうちにパウロとシラスをこの町から80キロほど西南のベレヤへ送り出しました。二人はそこに着くと、さっそくユダヤ人の会堂に入って行き、みことばを語りました。この町のユダヤ人たちは、テサロニケの者たちよりも良い人たちで、「非常に熱心にみことばを聞き、はたしてそのとおりかどうかと毎日聖書を調べた」のです(11節)。彼らはいわゆる偏見とか先入観を持たなかったのでしょう。パウロたちが語るイエスの福音を熱心に聞き、素直に受け止め、その通りかどうかと毎日旧約聖書を調べて、確かめようとしました。彼らの熱意に主が答えないはずがありません。その結果、彼らの霊の眼は開かれ、「彼らの多くの者が信仰に入った」のです(12節)。その中にはギリシヤの貴婦人や男子も少なくなかったのです。このようにみことばを聞くとき、素直な気持ちで熱心に聞くことと、それを聖書によって確かめることが必要です。そうするならば、何の考えもせずに簡単に信じ、聖書も読まない人の信仰よりも、よほどしっかりしたものになるでしょう(第1コリント15:1-2参照)。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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