礼拝説教

2010年2月28日

「一般の人にもわかりやすく説明する」
使徒の働き 28章11〜22節

 パウロたち一行は、いよいよローマに向け再び出帆し、シシリー島のシラクサ、イタリヤ本島のレギオンを経由してポテオリに入港しました。ここで一行は兄弟たちに会い、7日間滞在し、そこから陸路を行って、ついにローマに到着しました。こうしてローマでの生活が始まりました。

 I. 世の中には悪意をもって接する人たちがいる。
 ローマでパウロは、番兵付きで自分だけの家に住むことが許されました。囚人でありながら、ローマ市民でもあったパウロは、その特権を生かし、それから2年間にわたり、多くの人に福音を語ることになります。しかし、まず彼はユダヤ人の重立った人たちを集め、ここに至った経緯を話します。彼がローマに来ることになったそもそものいきさつは、ユダヤ人の指導者たちがパウロを裁判にかけ、有罪にし、亡き者にしようと図ったことにあります。ユダヤ人の宗教的指導者たちは、パウロを取り除かない限り、モーセ第一主義の生き方が阻害されてしまうと考えたのでしょう(21:27〜28、24:5〜9参照)。彼らは、パウロをエルサレムの議会で裁判にかけて有罪に持ち込みたかったのですが、そこで正しい裁判が行われる期待は持てません。簡潔にパウロが重立った人たちに語っているように、ローマ人の裁判では、パウロに何ら死刑にする理由がなかったので、彼を釈放しようとしたのに、ユダヤ人たちが反対したので、パウロはやむなくカイザルに上訴したのです(17〜19節)。このように世の中にはどうしても悪意をもって接する人たちがいます。残念ながら、彼らは聞く耳を持ちません。

 II. 世の中には心を開いて聞いてくれる人たちがいる。
 パウロが今話をしているユダヤ人は、決してクリスチャンではありません。しかし、パウロの説明に耳を傾けてくれました。「私はイスラエルの望みのためにこの鎖につながれているのです」(20節)と説明すると、彼らは、ユダヤから何の知らせも受けていないこと、当地に来たユダヤ人仲間のうち、パウロについて悪いことを告げたり、話したりした者はいないこと、パウロから直接聞くのが良いと思っていること、と言いました(21〜22節)。世の中には、確かにクリスチャンに好意的に接してくれる人たちがいます。初代教会においても、今日においても、状況はそれほど違っていないのかも知れません。私たちは、心を開いて私たちの話を聞いてくれる人たちに、私たちの信仰を、信じている福音の内容をていねいに説明する務めがあります。「今日のみことば」(Iペテロ3:15)にあるように、私たちは常にキリストを主とあがめ、私たちの主イエスへの信仰と希望(ペテロは特に再臨に対する希望を行っています)について説明を求

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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