礼拝説教

2010年7月11日

「もう一人のパウロの同労者」
 ピリピ人への手紙 2章25〜30節

 パウロには、テモテのように、伝道旅行中も、教会での働きやこの獄中においても、ずっと付き添って仕えてくれた同労者もいれば、今日取り上げるエパフロデトのような場所的・時間的に限られた範囲で仕えてくれた同労者もいます。いずれにしても、パウロにとって掛け替えのない働き人です。

 I. パウロの窮乏の時に仕える。
 エパフロデトをパウロがいかに高く評価しているかは、25節にある4つの肩書きを見ればわかります。彼は、パウロから親しみを込めて「兄弟」と呼ばれ、福音のために共に働く「同労者」であり、暗やみの世界の支配者と戦う「戦友」であり、ピリピの教会から送られて来た「使者」でした。そのエパフロデトは、特にパウロの窮乏の時に仕えたのです。ローマの獄中にいて、当然さまざまな必要のために出費がかさみ、彼の生活は非常に貧しくなっていたようです。そのようなとき、エパフロデトは、ピリピの教会から献金を携えて来て、乏しさを補い(4:18)、且つキリストの仕事のために死ぬばかりに働き、教会を代表してパウロに仕えたのです。このような働き人は、今日においても必要とされます。牧師や宣教師、教師や伝道師と言われる働き人を支えるのは、彼らと同じように福音を宣べ伝えたいと思う熱意、多くのものをささげて働き人を支える犠牲的精神、共に働く同労者意識を持った信徒の方々なのです。

 II 働き人も時には重い病気になる。
 エパフロデトは、パウロに仕える時に、死ぬほどの病気にかかりました(27節)。具体的な原因や病名はわかりませんが、貧しさの中、いのちの危険を犯してまでも福音のために働き、パウロに献身的に仕えたためでしょう。しかし、幸いなことに、神はあわれんでくださって、彼を生かしてくださいました。また彼ばかりでなくパウロをもあわれんで、パウロにとって悲しみに悲しみが重なることのないようにされました(同上)。働き人は、むしろしばしば病気にかかります。特に若い時に、多くの場合、無理な生活をして、奉仕のために、あまりに多くの時間を費やすことがあるからです。同時に、主があわれみの手を差し伸べて、いやしてくださる場合が多いことも事実です。エパフロデトは、自分が病気になったことがピリピの教会に伝わったことを気にしています(26節)。それは、教会の兄弟たちが彼を心から心配しているからです。だから、パウロは、彼がこの手紙を携えて彼らのところへ返そうとしたのです。元気になったエパフロデトに会って、彼らはどんなに喜ぶことでしょう(29節)。また彼のような働き人には、尊敬を払うべきなのです。パウロが勧めているように。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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