礼拝説教

2010年9月26日

「どんな境遇にあっても満ち足りることを学ぶ」
ピリピ人への手紙 4章10〜14節

 ピリピ人への手紙をずっと学んで来ました。今日が最後となります。2000年の長い教会の歴史の中で、伝道者,牧師、宣教師と言われる働き人は、しばしば経済的に困難を覚えながら、伝道牧会に励んで来ました。パウロがまずその生きた模範と言えるでしょう。今日は、パウロからあらゆる境遇の中で対処する秘訣を学びたいと思います。

 I. パウロは豊かさの中にいる道を知っていた
 もともとパウロは多くの点で恵まれた境遇にあったと言えるでしょう。生まれながらのローマ人でしたから、父親が大きな財産を持っていたかも知れません。若い時から、当時もっとも優れていたパリサイ派の学者ガマリエルの下で、厳格な律法に関する教育を受け、将来を嘱望されていた若手学者でした(使徒22:3参照)。しかし、彼はダマスコ途上で、よみがえりの主イエスにお会いし、その生き方は180度転換し、これまでのキリスト者を迫害する立場から、キリストを宣べ伝える使徒となりました。具体的に彼がどのような豊かさの中に,どれくらいの間いたのかは、聖書には記されていません。しかし、何らかの形で豊かな生活ができたことがあったでしょうし、教会の兄弟たちから十分な献金が与えられたこともあったでしょう。だからパウロは豊かさの中にいる道を知っていたのです(12節)。多くの場合、豊かさの中で、しばしば道を誤る人たちが少なくないことは,私たちの見聞きしていることです。突然大金が与えられると、かえってその人は不幸になる場合が多いのです。この点で私たちはパウロから学ぶ必要があります。

 II. パウロは貧しさの中にいる道を知っていた
 これは,彼の伝道生活の多くの場合に当てはまることでしょう。彼はその長い宣教活動の中で、実に多くの迫害や困難に直面し、しばしば死に直面したほどでです(IIコリント11:23以下)。その数々の苦難・艱難の列挙の中にこうあります。「労し苦しみ、たびたび眠られぬ夜を過ごし,餓え渇き、しばしば食べ物もなく、寒さに凍え、裸でいたこともありました。」(11:27)ですから、パウロは、貧しさの中にいる道のほうをはるかに多く知っていたはずです。問題は、そのような困難、貧しさの中でどう対処して行くかということです。彼は「あらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています」と言っています(12節)。どうしてそういう生き方が出来るのかの秘訣は,主が与えてくださいます。つまり、「私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです。」(14節)この方は主イエス・キリストです。パウロと同様,私たちも主イエスのよって強くしていただければ、あらゆる境遇にあっても満ち足りることを学ぶことができるのです。私たちもパウロのように生きたいと思います。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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