礼拝説教
2004年5月30日
「約束の聖霊を受ける」
使徒2:3-5、2:1-13
 それは、いまから2000年前のユダヤ人の3大祭りの一つである五旬節(ペンテコステ)の日の出来事でした。敬虔なユダヤ人たちは、この祭りに参加するために遠くから、近くから大勢エルサレムに集まって来ていましたが、彼らの目の前で約束の聖霊が初めて下りました。この聖霊は父なる神が与えると約束しておられたもので、ヨハネの水のバプテスマに代わる聖霊のバプテスマと言われるものでした(使徒1:4-5)。またこの父の約束とは、主イエスが十字架を前にして、愛する弟子たちに語った決別 説教において、御父が弟子たちに与えると約束された「助け主」という聖霊を指すと言えます(ヨハネ4:16-17,26,15:26-27,16:7-16)。主イエスが昇天されてからこの日までの10日間、12使徒を中心に120人の弟子たちは、主のご命令の通 りにエルサレムを離れないで、屋上の間に上って、祈りつつ約束の聖霊を待ち望んでいたのでした。

 ペンテコステの日に聖霊は人々の目に見えるように、耳で聞こえるように、異常な奇蹟を伴って天から下って来ました。まず激しい風が吹いてくるような響きが起こり、彼らのいた家全体に響き渡りました(使徒2:2)。続いて炎のような分かれた舌が現れて、弟子たち一人一人の上にとどまりました(3節)。すると最後に皆が聖霊に満たされ、御霊が話させてくださるとおりに、他国のことばで話し出しました。この他国のことばは、エルサレムの近くの、または遠くの国々のことばであり、14-5カ国の様々なことばであることがわかります(9-11節)。このようないろいろな国ことばは、弟子たちがそれまで全然知らなかったことばでした。彼らはまさしく聖霊の導きで語ったのです。この日エルサレムに上って来ていた人々は、ガリラヤ出身の弟子たちが、何と自分たちが日頃使っている国ことばで神の大いなるみわざを語るのを聞いて、驚き惑って、互いに「いったいこれはどうしたことか」(12節)と言ったり、別 の者たちは、「彼らは甘いぶどう酒に酔っているのだ」(13節)と言ってあざけりました。

 そこでペテロは、11人の弟子たちとともに立って、声を張り上げて力強くメッセージを語りました。ペテロは大きく3つのことを述べています。まず第1に、この現象は、ヨエル書に預言された、「終わりの日にわたしの霊をすべての人に注ぐ」という約束の成就であるということです(16-21節)。

 第2に、主イエスがなさったみわざ(力あるわざと、不思議なわざと、あかしの奇蹟)によって、また十字架と復活と昇天によって、イエスは主ともキリストともされたことが確認されたことです。第3についても学びましょう。
  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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