2004年12月5日
「処女マリヤの信仰」
ルカの福音書1章26〜38節

 「受胎告知」として知られている今日の聖書の箇所からマリヤの信仰について考えてみましょう。マリヤの親類のエリサベツがヨハネをみごもって6か月目に、御使いガブリエルがナザレという町に住むマリヤのところに現れました。御使いはとても信じられないようなメッセージをマリヤに伝え、マリヤは、それを信仰を持って受け止めています。

 I マリヤは信仰に裏付けられた常識でメッセージを受け止めました。
 御使いガブリエルがマリヤに伝えた内容は驚くべきものでした。婚約中の処女マリヤは、みごもって男の子を産むこと、その名をイエスと名付けること、その方はすぐれた者となり、神の御子と呼ばれること、その方は神である主から先祖ダビデの王位を与えられ、彼が納める国は終わることがないこと、でした(31-33節)。それを聞いたときマリヤは、「どうしてそのようなことになりえましょう。私はまだ男の人を知りませんのに」と答えました(34節)。彼女は決して御使いの言うことを疑ったのではありません。だだまだ結婚もしていない身なのに胎内に赤ちゃんを宿すことは、常識で考えてもあり得ないのではないかと思い、質問したのです。不信仰のゆえに疑ったのではありません。

 II マリヤは信仰によって救い主の母になることに同意しました。
 御使いの答えは次のようなものでした。聖霊がマリヤに臨み、神の力が彼女をおおうので子どもを宿すこと、それゆえ生まれる者は聖なる者、神の子と呼ばれること、この奇蹟は親類エリサベツの妊娠の例からも納得できること、というものでした(35-36節)。御使いの最後のことばは決定的でした。「神にとって不可能なことは一つもありません」(37節)。マリヤは信仰によってすべてを受け入れました(38節)。彼女が同意したことによって全人類を救う救い主イエス・キリストが誕生することになるのです。地味で控えめなマリヤは、この身が主のご計画に少しでもお役に立つならば、喜んで主におささげしたいという信仰に生きていたのです。私たちもマリヤも信仰に習いたいと思います。常に従順に主に従って歩んでいるならば、主からお声がかかるとき、尻込みしないで主のためにお役に立てるようにこの身をささげることができるのです。主は私たちを用いて人々に救いをもたらす大切な働きをなさるのです。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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