「あなたは、鳥があなたの頭上を飛ぶのを止めさせることはできないけれど、鳥があなたの髪の毛の中に、巣を作るのを防ぐことはできる」とルターは言いました。私たちが誘惑に会うことは、さけられないかもしれません。しかしそれに勝つことはできるはずです。今日は、主イエスが悪魔から受けた誘惑にどのように勝利したかを学びましょう。
I 「あなたが神の子なら、この石に、パンになれと言いつけなさい」(3節)。
悪魔の目的は、主イエスにどうにかして罪を犯させ、また父なる神の信頼を失わせて、救い主としての資格を失わせることにあったと言えるでしょう。サタンは、主イエスが神の子なら、奇蹟を行うことができるはずだから、石からパンを作ることをすすめたのです。40日も断食したのだから、空腹をいやすためにパンの奇蹟を行なったらどうか、というわけです。しかし、イエスは決してご自分のために奇蹟を行なったことがありません。またこのような奇蹟を行うことは、必要のすべて満たしてくださる御父への信頼を裏切ることになります。主はみことばをもってサタンの攻撃を退けました(4節、申命記8:3)。
II 「この国々のいっさいの権力と栄光とをあなたに差し上げましょう・・・」(6-7節)。
次の悪魔の誘惑は、交換条件を持ち出して、「もしあなたがわたしを拝むなら、すべてをあなたのものとしましょう」と提案しました。サタンは、本当の支配者は神様であり、自分は許された範囲でのみ、この世を支配しているに過ぎないことを十分に知っていました。その上で主に、神の国実現のための苦しい十字架への道を止めたらどうか、この世の支配者で十分でないか、と勧めたのです。主は今度もみことばをもってサタンの攻撃を退けました(8節、申命記6:13)。
III 「あなたが神の子なら、ここから飛び降りなさい…」(9-11節)。
今度は、悪魔自ら聖書のことばを引用します。10-11節は詩篇91:11-12からのでたらめな引用です。詩篇の正しい意味は、あなたが心から主に信頼して歩むならば、主は、人生のあらゆる道であなたをわざわいから守り、御使いたちに命じて、あなたの歩みを支えさせる、ということです。しかし悪魔は、イエスにあなたが神の子なら、あっと驚くようなわざを人々に見せてみよ、とそそのかしたのです。ここでも主はみことばをもってサタンの攻撃を退けました(12節、申命記6:16)。みことばこそサタンの攻撃にうち勝つ秘訣なのです。 |