今でも多くの小学校では毎年か隔年に学芸会があり、出し物の一つに劇の発表会があるでしょう。昔はクラスの先生が主役や準主役その他の役を何人かの生徒に割り当てましたが、今は違うのでしょうか。希望者をつのり、オーディションをしてさまざまな役を決めるのかも知れません。劇に出たい人は主役をやりたいと思いますが、主役は、一人か二人です。そのほかの人たちは、脇役を演じることになります。主役、脇役は劇だけのことではなく、もっと広く勉強においても、運動においても、おけいこごとや遊びにおいてもあてはまります。今朝ご一緒に考えたいことは、神様は私たちにどのような役を割り当てられるのか、ということです。

　I.　神様はあなたを造り、愛しておられます。
　神様は、あなたが勉強がよくできるから、スポーツが上手だから、ひょうきんなことを言って笑わせることがうまいから、というのであなたを愛しているのではありません。神様は、あなたを造られたからあなたを愛しているのです。神様はお母さんの胎内にあなたのいのちを与え、あらゆる危険から守り、いのちをはぐくみ、ちょうどよいときにこの世に生まれさせてくださいました。「わたしの名で呼ばれるすべての者は、わたしの栄光のために、わたしがこれを創造し、これを形造り、これを造った」（イザヤ43:7）とあるとおりです。あなたは、神様が、ご自身の栄光のために造られた大変尊い存在だから、神様はあなたを愛しておられるのです。

　II.　神様はあなたを主役に選んでくださいました。
　会社の仕事に情熱を傾けて、自分がいなければこの会社はつぶれるかも知れないと思っていても、命令によってその人がほかの課に移って、別の人にバトンタッチします。なんと代わりの人は、その人より上手に仕事をこなし、会社の業績も上がることがあります。確かに代わりの役をこなせる人は少なくないでしょう。しかしあなたしかできない役があるのです。それはあなたの存在そのもの、あなたの人格です。あなたは、世界でただ一人の存在で、あなたに代わる人はだれもありません。「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している」（イザヤ43:4）とあなたを造られた主は言われます。あなたに与えられている性質、能力、賜物、知恵、知識、いえあなたの存在そのものが、神様の栄光のために、神様のお役に立てるように、今生かされているのです。あなたの存在とあなたがしている役は、どんなに小さい役に見えても、神様の目から見て尊い主役なのです。