2005年6月19日
「アブラハムに見る父親像」
創世記 13章1〜13節

 理想的な父親像とはどういうものでしょうか。一家を支える大黒柱としての権威を持ち、妻や子どもたちから尊敬され、信頼され、いろいろな相談事にも適切なアドバイスや指示を与える見識を備えている人でしょうか。でも実際にはなかなか理想的な父親は見あたりません。しかし聖書の中に立派な父親を見つけることができるかも知れません。けさは、アブラハムを見てみましょう。

 I. アブラハムは一家を支え、まとめ、指導していました。
 アブラハム(もとの名はアブラム)は、一族を引き連れてメソポタミヤからこのカナンの地にやって来ました(創世12:1-5)。危険の多い長旅を続けることは大変のはずでしたが、それを成功させたことは一家の主人としての能力を持っていたからでした。カナンに着いてまずしたことは、祭壇を築いて主を礼拝したことでした(7-8節)。このように一家を支え、守り、主を礼拝することは、父親の大切な仕事です。まことの神様を信じ、従っていく父親がその姿を子どもたちに見せ、子どもたちが主を信じるように導くことは一番大切な仕事と言えるでしょう。父親の権威は主なる神から来るのです。そして主を敬い、従っていく父親には、尊敬する気持ちも起きてくるはずです。

 II. アブラハムは一家のトラブル・問題を解決しました。
 アブラハムは、甥(おい)のロトといっしょに天幕を張って、生活していましたが、それぞれ多くの家畜を所有していました。住んでいたところが狭いため、多くの羊や牛の群を養うことがむずかしく、それぞれの牧者たちの間に争いが起きました(13:5-7)。アブラハムは進んで争いがなくなるように解決を図りました。それはロトに好きな場所をまず選ばせ、そこに住むようにさせ、自分はあまり条件の良くないところへ行くことでした(9-12節)。ロトが選んで住んだ緑の多い低地は、罪人が多く住んでいるソドムとゴモラの近くだったので、後で大きな悲劇がロト一家を襲うことになるのですが、ともかくも問題を解決するつとめは一家の主人であり、父親です。でも最近のわが国の家々ではお父さんの陰が薄いようです。いろいろな問題が一家に起きるとき、まずお母さんが表に出てきて解決しようとします。確かにお父さんは朝早くから夜遅くまで外に出て働いているので、トラブルが起きても解決に乗り出せないのでしょう。でもやはりお父さんの出番はありますし、必要なのです。
 アブラハムは主を第一にして従っていたので、別な問題が起きたときも自ら進んで解決に乗り出し、成功しました(14:12-17)。さらに約束のひとり子イサクさえ主のご命令のまま主にささげました。ここに理想的な父親像を見ることができるのではないでしょうか。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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