2005年12月11日
「救い主イエスの系図」
マタイの福音書1章1〜17節
 間もなく私たちの救い主イエス・キリストのお誕生をお祝いするクリスマスがやって来ます。主イエスは旧約聖書に数々預言されている約束のメシヤとしてお生まれになりました。そのメシヤは系図をたどることができるのです。マタイの福音書は、「アブラハムの子孫、ダビデの子孫、イエス・キリストの系図」と書き始めています。この系図から何がわかるでしょうか。

 I. 約束のメシヤを示す系図です。
 今から4000年前に神は、ユダヤ民族の先祖としてアブラハムを選びました。彼とその家族をメソポタミアから今のイスラエルの地に導きつつ、彼の子孫からメシヤが生まれることを約束されました。「あなたの子孫によって、地のすべての国々は祝福を受けるようになる。」(創世記22:18、参照ガラテヤ3:8,14) また救い主は「エッサイの根株」すなわちダビデの子孫から生まれることが預言されました(イザヤ11:1-2)。マタイのこの系図は、アブラハムからダビデまで、そしてダビデから、バビロン捕囚とイスラエルへの帰還も含めた長い期間もずっと続いた、ダビデ王の子孫ヨセフまでの系図を示しているのです。主イエスはダビデの子孫として生まれました。

 II. 人間のありのままの姿を示す系図です。
 この系図には4人の女性が登場しています。タマル(3節)、ラハブ(5節)、ルツ(5節)、そしてウリヤの妻(6節)です。タマルは族長ヤコブの息子ユダの嫁でした。いろいろな事情があったのですが、ユダと息子の妻であったタマルは、義父ユダの子を産んだのです(パレスとザラ、3節、創世記38章)。
 ラハブはヨシュア記に登場するエリコに住んでいた、カナン人の女、しかも遊女です。この町に遣わされたイスラエルの二人の斥候を、ラハブはかくまってやり、追っ手から無事に逃れられるようにしてやったので、主から恵みを受けて、生き残れるようになりました(ヨシュア2章)。真の神さまを信じていた彼女は、イスラエル人サルモンと結婚し、ボアズを産んだのです。このボアズはルツの夫になった人です(5節)。
 ルツはアブラハムの甥ロトの子孫であるモアブの女です。ルツ記に書かれているように、夫が死んだ後、姑のナオミに献身的に仕え、姑についてベツレヘムに行ってから、ボアズと結ばれて、オベデ(エッサイの父)を産んだのです(5節)。
 ウリヤの妻の名はバテシェバです。ダビデ王はバテシェバと姦淫し、彼女は身ごもりました。王はそれを隠すために、ウリヤを戦いの最前線に送らせ、戦死させてしまいます。ダビデは悔い改めますが、 生まれた子は刑罰によって死に、 後に彼は大きな代償を払うことになります。やがて二人の間に生まれた子がソロモンです(6節、IIサムエル11〜12章)。このように聖書はありのままを書いているのです。
  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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