2006年05月07日
「招かれるときの心掛け・招くときのルール」
ルカの福音書14章7-14節
 私たちの周りでよく見られることですが、結婚式の披露宴での招待客の席順は大抵決まっています。主役の新郎新婦にとって上役とか先生とか重要な人たちは上席に座り、順次重要度に応じて上座から下座へと来客は座り、同僚や友人などは末席に連なります。これは正に人間的な評価の典型的な例でしょう。ところで主イエスは、ある安息日にパリサイ派の指導者の家に食事に招かれて、婚礼の披露宴などに招かれたときや招くときに関して、大切なことを教えられました。それは次の二つです。

 I. 招かれたときは末席に着きなさい。
 この家に招かれていた律法の専門家やパリサイ人が上席を選んでいるのに気づかれた主イエスは、彼らにたとえを話されました(8-10節)。その骨子は、次のようなものです。婚礼の披露宴に招かれたときには、上座に座ってはいけない。あなたより身分の高い人が招かれているかも知れないし、招いた人が、あなたに「この人に席を譲ってください」、と言うかも知れないから。そのときあなたは恥をかいて、末席に行かねばならなくなる。招かれるようなことがあったら、末席に着きなさい。そうしたら、招いた人が来て、「どうぞ、もっと上席にお進みください」と言うだろう。あなたは満座の中で面目を施すことになる。主イエスは、ここで神の国の席順を教えておられるのです。この世では、多くの人は上座に座りたいと思うでしょう。しかし、このたとえのようなことが、しばしば起きます。でも神の国では、常に真に謙遜な人が上座に座ることになるのです。「今日のみことば」(11節)の通りです。

 II. 招くときはお返しのできない人を招きなさい。
 主イエスは、食事に招いた人にも話されました。「昼食や夕食のふるまいをするなら、友人、兄弟、親族、近所の金持ちを呼んではいけません。でないと、今度は彼らがあなたを招いて、お返しをすることになるからです。」(12節) このような裕福な人たちはお返しをすることができるので、あなたは主からの報いを受けられない、と主は言われるのです。ユダヤ人の指導者たちは、貧しい人やからだの不自由な人を招くことはしないでしょう。彼らは、この世の、目に見える報いを期待しているからです。彼らはお返しを期待できない人々に愛やあわれみを示していません。そこが問題なのです。主の勧めは13節の通りです。貧しい人やからだの不自由な人を招くこと、「その人たちはお返しができないので、あなたは幸いです。義人の復活のときお返しを受けるからです。」(14節)。実際にはなかなかむずかしいことですが、人からの報いでなく神からの報いを期待する生き方をしたいものです。それこそ天に宝を積むことになるからです(12:33-34)。
  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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