2006年05月28日
「主イエスの招きを断る理由は?」
ルカの福音書 14章15〜24節

 どこかの国の話としても、王や大統領が催す大宴会に招待を受けて、それを断る人はまずいないでしょう。招かれることは非常に名誉なことであるし、断わったら、大変な結果を招くかも知れないと、恐れるからです。主イエスは神の国の王としてこの世に来られました。主は同胞のユダヤ人たちに神の国に入るように招きましたが、彼らは色々な理由をつけて断りました。主はたたとえを用いて律法の専門家やパリサイ人たちに話をされました。

 I. ユダヤ人たちは主イエスの招きを断わりました。
 主イエスと同席していた客の一人のことばから(15節)、ユダヤ人の指導者たちは、特権階級だから、当然神の国に入って食事をすることになり、幸いな人となると、確信していたことがわかります。しかし、主は、彼らは神の国に入れないと、言われたのです(24節)。なぜなら、彼らは主の招きを断ったからです。主イエスが語られたたとえの主要な要素は次の通りです。「ある人」は主イエスです。「宴会」は神の国で主が与えようとしておられる豊かな祝福を指しています。「最初の招き」は旧約の預言者が語る古い約束と招き、「2回目の招き」は主イエスご自身の招きです。バプテスマのヨハネやイエスの弟子たちも招く役割をしました。この2回目の招きに対して(17節)、みな同じように断り始めました。3種類の人々が具体例としてあげられています。第1の人は、畑を買ったので、どうしても見に行かなければならない、と言います(18節)。第2の人は、5くびきの牛を買ったので、それをためしにいくところです、と断ります(19節)。3番目の人は、結婚したので、行くことができない、と言います(20節)。彼らが断った理由は、後からつけたことで、最初から断ることに決めていたのです。このようにユダヤ人たちは、指導者も一般の人たちも、主イエスの神の国への招きを断って、入ろうとしなかったのです。

 II. 貧しい人たちや異邦人たちが主イエスの招きに応じました。
 帰ってきたしもべの報告を聞いて、主人は怒って、「急いで町の大通りや路地に出て行って、貧しい者や、からだの不自由な者・・・たちをここに連れて来なさい」と命じます(21節)。これは罪人、遊女、取税人、貧しい人たちが主イエスの語る福音に耳を傾け、主の招きに答えて、福音を信じたことを表しています。さらに宴会の席には余裕があったので、「街道や垣根のところに出かけて行って、・・・無理にでも人々を連れて来なさい」と、命じます(23節)。この人たちは異邦人たちを指しています。神の国の福音は異邦人にまで及び、彼らも主の招きに答えて主を救い主として受け入れたのです。それに反して、ユダヤ人たちは約束のメシヤであるナザレのイエスを受け入れず、十字架につけてしまいました。福音がユダヤ人から始めて、異邦人にまで及んだ次第は使徒の働きに書かれてある通りです。

 主イエスは今日も私たちのこころの扉をたたいています。この扉には外側に取っ手がありません。私たちは自分の意志でこころの扉を開いて、主をお迎えしようではありませんか(黙示録3:20)。
  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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