ファミリー礼拝 2006年08月20日
「戦争と平和、けんかと仲直り」
ヤコブ4:1-4、箴言15:1

 去る8月15日は61回目の終戦記念日でした。それまで日本は主にアメリカ、中国、イギリスなどと戦っていました。全世界からみれば第二次世界大戦が、アジアを中心にすれば太平洋戦争がこの日に終わったのです。日本は前日の14日ポツダム宣言を受諾し、無条件降伏をしました。それ以来わが国はどこの国とも戦争していません。61年もの長い間平和が保たれているのは、本当にすばらしいことです。戦争の原因を一言で言ううのはむずかしいことですが、聖書から学びたいと思います。

 I. 戦争の原因は力づくで利益を得ようとするからです。
 わが国は敗戦までお隣の韓国と北朝鮮、台湾を植民地とし、旧満州を属領とし、中国全土を支配しようとしました。植民地にすれば、その国を完全に支配しますから、土地を自由に奪って使い、人々を安い賃金で働かすことができ、取れたお米などをだだ同然にわが国に持ってくることができます。そこに住めば特権階級としていばって、贅沢に暮らすことができます。すべて相手の国の富を奪って、自分の国のために使うのです。それぞれ独立している国の間の戦争はどうでしょうか。やはり、力づくで相手の国のものを奪い、自分の国のために使うことでは同じです。ヤコブは、戦いや争いは私たちのからだの中で戦う欲望が原因です、と言っています(1節)。「あなたがたは、ほしがっても自分のものにならないと、人殺しをするのです。うらやんでも手に入れることができないと、争ったり、戦ったりするのです。」(2節)。しかし、戦争や争いで無理矢理手に入れたものは、決して長続きしません。互いの国の主権を尊重し、平和的に問題を解決し、平等な貿易などの取引で互いの特産物を交換することが大切です。互いに尊重しあい、尊敬しあい、平和の外交関係を築いて行きましょう。

 II. けんかの原因は自分の方が正しいと主張するからです。
 けんかは腕力を用いたり、口で争ったりして起こります。例えば、親が兄弟で仲良く使いなさいと買ってくれたおもちゃや文房具などを自分のものにしたいと思うと、けんかになります。また友だちがいいものを持っているとほしくなります。けんかが、腕力で人のものを自分のものにしようとすることでは、国と国との戦争と同じです。また、けんかは、自分の方が正しく、相手が悪いと互いに主張することでも起きます。例えば、弟のケンくんが大切にしていたミニ四駆を畳の上に置き忘れていました。お兄ちゃんのユウくんが知らずに歩いてきて、ミニ四駆をふんずけて、屋根をつぶしてしまいました。「お兄ちゃんが悪い!」と泣いて食ってかかるケンくんに対し、「畳の上に置いておくケンくんが悪い!」とユウくんが言って、けんかになってしまいました。どうしたら仲直りできるでしょうか。むずかしいことですが、相手を責めるのではなく、自分が悪かったと認めることです。確かにケンくんが四駆を畳の上に置かなければ良かったはずです。またユウくんも少し気をつければ四駆を踏まないで済んだはずです。「ごめんね」と言えれば仲直りできます。そして「ごめんなさい」は、大人同士、国同士の争いでも解決をもたらすキーワードです。箴言15:1をいつも忘れないようにしたいですね。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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