2007年03月11日
「異邦人の時、そして再臨」
ルカの福音書 21章20〜28節

 終末時に困難な時代がやって来て、クリスチャンは迫害されたり、不当な裁判にかけられることが予想されます。しかしそれは同時に主イエスをあかしする恵みの時でもあります。そして間もなく主イエスが再びこの世に来てくださるのです。それを再臨といいます。それはすべてもクリスチャンにとって喜びの日であり、救いの完成の日であります。

 I. 今は異邦人の時代です。
 ユダヤ人は自分たちが選民イスラエルで、他のすべての民族は異邦人と呼んで来ました。それは聖書に書かれており、神の特別なご計画によってユダヤ人が選ばれたのですが、彼らは主イエスを十字架につけて死に至らせました。初代教会が発足し、12使徒たちの伝道によっても多くのユダヤ人はイエスを救い主として信じませんでした。紀元70年にローマの攻撃によってエルサレムは陥落し、多くの人々は殺され、生き残った人々はさまざまな国に連れて行かれ、全世界に散らばってしまいました。主はそのことを前もって予告されたのです(20節)。あの壮大なヘロデの神殿は、そのとき跡形もなく崩壊してしまします。それはあまりのも悲惨な主のさばきですが(22-23節)、主イエスの警告に従った多くのクリスチャンは難を逃れたということです(21節)。この時から異邦人の時代と言われるのですが、それは同時に福音が全世界の人々(彼らは異邦人でもあります)に伝えられ、多くの国々に教会が建てられる教会の時代でもあります。確かにその時からエルサレムは異邦人に踏み荒らされるのですが(24節)、やがて異邦人が全部救われて、それからイスラエル人も全部救われる、とパウロは言います(ローマ11:25)。

 II. 主イエスは栄光の中に再臨されます。
 エルサレム陥落と人々の受けた苦難は、世の終わりの時のさばきの予表と考えられます。世の終わりにはさらにさまざまな苦難と恐ろしい天変地異が起こります。天の万象が揺れ動き、海と波が荒れどよめき、人々は恐ろしさのあまり気を失うほどです(25-26節)。しかしそれで終わるのではありません。「そのとき、人々は、人の子が力と輝かしい栄光を帯びて雲に乗って来るのを見るのです。」(27節)。イエス・キリストの再臨は、すなわち私たちクリスチャンの救いの完成の時でもあります。主はそれを「贖いが近づいた」と言われます(28節)。平行記事のマタイによれば、主は大きなラッパの響きとともに、御使いたちを遣わして、彼らに天の果てから果てまで、四方から選びの民を集めさせる、とあります(24:31)。集められた選びの民こそ私たちクリスチャンに他ならず、私たちはみなよみがえり、主イエスの御前に立つことになります。それはすばらしい喜びの時、栄誉ある冠をいただく時です。その日を待ち望みつつ与えられた小さな務めに励みましょう。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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