2007年06月17日

「父親の責任」
創世記37:1-11,31-36 エペソ6:1-4
  今日は父の日です。聖書の中に父親は大勢登場しますが、中でもアブラハムに始まる族長といわれる人々は、いろいろな面から私たちに父親像を見せてくれます。今日はアブラハムの一人息子イサクの息子のヤコブに焦点を当て、父親としての生き方を見ていきましょう。ヤコブには、12人の息子と1人の娘が与えられました。ヤコブには妻が2人、2人の妻のそれぞれの女奴隷がそばめとなって2人いました。その4人から12人と1人が生まれたのですから、夫婦、親子の関係は複雑でした。そのような中でヤコブは父親としての責任を果たしたでしょうか。

. ヤコブは大勢の家族を守り、子どもたちを育てました。
 ヤコブはこの大人数の家族を養うために人一倍働きました。彼はだまされた形で姉のレアを妻とし、直ぐに愛する妹のラケルをめとり、14年間2人のためにただ働きをし、さらに6年間ラバンのために働いて、家族を養いました。過酷な条件のなかで良く働いたと言えるでしょう。しかし、2人の妻を平等に愛したとは言えません。これは最初から無理でした。それに2人のそばめたちも加わり、夫婦関係は複雑でした。ヤコブは、このような中で生まれた子どもたちを平等に愛することはできませんでした。愛する妻ラケルの息子ヨセフを一番愛し、そのためヨセフは兄たちから憎まれてしまいました。

. ヤコブは善悪の基準をはっきりと教え、兄弟が互いに愛し合うように教えすことに失敗したようです。
 子どもたちは親たちを見て育ったようです。ヨセフは兄たちを尊敬せず、ひとりよがりで兄たちから憎まれました。自分が憎まれていることに無頓着のようで、兄弟愛が大切だとも思わないし、父親から愛されていれば、何者も恐れなかったようです。だから、特に二人のそばめから生まれた4人の兄たちを含めて、10人の兄たちの複雑な気持ちを思いやることもできず、まさに自己中心でわがままに育ったようです。彼は夢を見て、それを解き明かす賜物をすでに与えられていたようですが、見た2つの夢をそのまま、兄たちや両親に話してしまう無神経なとことがありました。そのまま育ったら、どうしようもない人間になっていたかも知れません。

。. ヤコブは、多くの欠点はありましたが、真の神への信仰を子どもたち、孫たちに伝えました。
 ヤコブはさまざまな苦しい経験をして、真の神のお取り扱いを受けて帰ってきましたから、父の信仰は大なり小なり子どもたちに伝えられたと思われます。特にヨセフは幾多の苦しみを経験する中で神から愛され、主に信頼する生き方を学びました。ルベンやユダを代表に兄たちもやがてしっかりした信仰と思いやりを身につけたようです。このように信仰を伝えることは父親の大きな務めです。もちろん母親ともに祈り協力し合うことが大切ですが。
 以上をまとめれば、「今日のみことば」のエペソ6:4は、今日でも有効な子育てのための規範です。
  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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