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「くじによる使徒職の選び」
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使徒の働き1:15-26
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使徒たちはユダが欠けたために11人になっていました。使徒たちは主イエスから直接選ばれたので、本来ならばイエスさまに再度選んでいただければ、ことはスムーズに運んだかも知れません。しかし、イエスさまはそうされませんでした。使徒の補充を弟子たちに任せたのです。弟子たちは11人を中心に10日間エルサレムの大きな家に集まって祈りに専念していました(14節)。主イエスから約束の聖霊をいただくための備えのためです。同時にこの期間に使徒を選ぶことを決めたのです。
I. 使徒たちには使徒としての資格が必要である。
ユダは主イエスを銀貨30枚で祭司長や長老たちに売り渡した裏切り行為で有名ですが、直ぐに自分がしたことを後悔し、銀貨を神殿に投げ込んで、首をつって死んでしまいました。また、祭司長たちはその金で陶器師の畑を買い、旅人たちの墓地にしました(マタイ27:3-8)。使徒の働きには、ユダの死のことがさらに詳しく書かれています(18-19節)。ペテロによってユダが裏切って死に、彼の職を他の人が継ぐことが聖書の預言の成就だったことが確認され(16,20節、詩篇41:9,69:25,109:8)、これから新しく使徒を選ぶことになったのです。ペテロは、使徒としての条件を完結にまとめています(22節)。すなわち、使徒は第1に、主イエスの公生涯の期間主とともに行動していること。第2に、使徒は特に主イエスの復活の証人であることです。その条件を満たす弟子が二人選ばれました。ヨセフとマッテヤの二人です。パウロは後に使徒としてのしるしについて書いていますが、使徒たちは、その語ることばに神のことばとしての権威を持っていたので、そのために奇蹟などのしるしを伴う必要があったのです(IIコリント12!:12)。
II. 使徒の選びには、みこころを示すためにくじが用いられた。
旧約時代には主のみこころを示していただくために、しばしばくじが用いられました(Iサムエル14:41、ヨナ1:7など)。「くじは、ひざに投げられるが、そのすべての決定は、主から来る」(箴言16:33)とあるように、くじは主のみこころを示していただくために用いられました。その時当然のことながら祈りをもってくじを引くことが大切です。ユダの代わりに一人の弟子が使徒として選ばれるために、ペテロたちは、「すべての人の心を知っておられる主よ。・・・このふたりのうちどちらをお選びになるか、お示し下さい」と祈りました(24-24節)。そうしたらくじはマッテヤに当たったので、彼が11使徒に加えられました。この10日間という期間は、まだペンテコステの聖霊が下る前のいわば過渡的な時期と言えるでしょう。聖霊が下る前には人々はみこころを知るために旧約時代の流れを引いて、くじを引いたと考えられます。しかし、ペンテコステの聖霊時代の幕開きからは、弟子たちは聖霊に導きによって、選ぶべき道を示されました。それは、今日でも同じです。 |
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