礼拝説教

2008年5月25日

「みことばの奉仕と食卓の奉仕」
使徒の働き 6章1〜7節
 教会には多くの働きがありますが、中でも祈りとみことばの奉仕が大切で、牧師はその働きの多くを担っています。同時に、共同生活をしていた初代教会では、大勢の人たちの衣食住に関する奉仕も重要でした。それらの毎日の奉仕を専門に行う人たちが、まだ選ばれていなかったので、発足当時の教会は、人々の必要に十分に答えられませんでした。そこでこの食卓に仕える奉仕を専門にする兄弟たちが選ばれました。

 I. 祈りとみとばに仕える奉仕
 初代教会は、ペンテコステの日にペテロの説教を聞いて,悔い改めてバプテスマを受けた3000人とすでに弟子となっていた120人とともに始まりました。使徒たちは、このようにみことばを語ることが第一の務めでした。同時に兄弟姉妹たちの衣食住に関わる奉仕のためにも多くの時間と手間がかかりました。それらの働きは、最終的には使徒たちが責任をもって行いました。ですから、本来の「祈りとみことばの奉仕」がともすれば後回しになったのでしょう(2,4節)。確かに、主が働いてくださり、このような日常の仕事やユダヤ人たちによる激しい迫害が彼らを襲ったにも関わらず、みことばが語られ,救われる人たちは増えて行きました(4:2-4,12-14ほか)。しかし、使徒たちはもっと祈りとみことばの奉仕の必要を感じたのでしょう。このような働きは、今日でも牧師や伝道師、宣教師を中心としてほかに賜物をもった信徒の方々によって進められています。宣教と教会の様々な働きのためにまず祈りが必要です。祈りに答えてくださる主が、みとばの拡大と教会の様々な働きを導いてくださいます。

 II. 食卓に仕える奉仕
 共同生活をする人たちの中には、ヘブル語が話せない人たちもいました。彼らはギリシャ語だけを話していたので、大勢のユダヤ人の中では、特に弱い立場にあるやもめたちが毎日の配給でなおざりにされていました(1節)。彼らの苦情を聞いた12使徒たちは、全員を呼び寄せて、食卓に携わる人たちを選ぶことを提案しました。その人選には条件があって、それは「御霊と知恵とに満ちた、評判の良い人たち7人」(3節)です。この提案は全員の承認が得られて、「信仰と聖霊に満ちた人ステパノ」ほか6人が選ばれ、使徒たちが彼らの上に手を置いて祈り、この職に任命しました。大勢の人たちが十分に食べられるように配慮し、毎日実行していくには、上からの知恵と聖霊と信仰を十分にいただいた人たちがふさわしいのです。今日では、特別の機会にみんなで食事をして交わる以外は、各自家々で日常の生活を行っています。しかし、教職者や信徒のための福祉や厚生の働きは、今も続いており、教会外の人々への必要な援助も時として教会は行っています。さらに教会の土地や建物の維持管理や会計の仕事も執事の働きで、これも初代教会から続いています。
 こうした結果、神のことばは、ますます広まって行き、弟子の数が増えていきました(7節)。主は執事の働きを祝福してくださったのです。
  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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