礼拝説教

2008年7月20日

「どうして不正は跡を絶たないのか」
申命記16章18〜20節
 かなり前から起きていた商品偽装事件が、最近になって少しずつ形は違ってますが各地で起きています。岐阜県養老町の食品卸売業者「丸明」は、普通の肉を飛騨牛肉と偽って販売してきました。また、中国産ウナギの蒲焼きを産地を偽装して売っている会社「魚秀」も徳島保健所の立入検査を受けました。このように不正事件は跡を絶ちません。どうしてでしょうか。聖書から学んでみましょう。

 I. お金には大きな魅力がある。
 昨年11月の礼拝で「商売ともうけと不正」と題して食品にせ表示問題を取り上げました。不正をした会社は、もしその不正がばれなければ、かなりの利益が得られるはずですから、ずっとし続けたのです。本来なら捨てるべき物を再利用したり、賞味期限を勝手に延長すれば、一時的にせよお金はもうかります。今回も同じです。普通の牛肉を有名ブランドの肉と偽装表示しても、一般の顧客はその真偽を見分けられません。これはかなりのもうけにつながります。しかし、不正が発覚すれば、その会社はお客さんの信用を失って、商品はまず売れません。やがて倒産に追い込まれます。でも偽装のまま売り続けて大もうけをしている会社も、少なくないでしょう。その会社は得したことになるのでしょうか。聖書はこう言っています。「英知を欠く君主は、多くの物を強奪する。不正な利得を憎む者は、長生きする」(箴言11:1)。不正な利得を求める者は、主の御前に決して祝福されないのです。

 II. 権力にも大きな魅力がある。
 最近特に話題になっているのは、大分県の小学校教員の採用試験をめぐる汚職事件です。元県教委義務教育課長参事が、本来あってはならない受験生のデータを自宅に持ち帰り、改ざんしたとして、収賄容疑で逮捕されています。元参事がデータを改ざんして、2年間で40名の教員採用のうち20名を、本来なら不合格のはずなのに合格させたのです。その反面本来なら合格しているはずの受験生が、点数を不当に低くされて、不合格になっています。不正な改ざんがなされたのには、合格させてほしいと依頼して,わいろを送った人たちがいるわけで、元参事はそのわいろを受けとっているのです。また元参事は彼の上司の指示を受けて不正を行っています。このような悪事をした最終目的は、さらに高い地位に就くためです。わいろは、聖書に出てきます。主として権力を持ったさばきつかさといわれる裁判官が、わいろに目がくらんで裁判を曲げたことがあります。サムエルはさばきつかさでしたが、決してわいろを取って裁判を曲げたことはありませんでした(Iサムエル12:3)。しかし、彼の二人の息子は、わいろを取ってさばきを曲げていました(8:1-3)。権力の有る者がその地位を利用して悪いことをする構図は、今日でも同じです。しかし、「今日のみことば」の申命記16:19と次の20節のみことばに注意しましょう。
  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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