礼拝説教

2008年9月21日

「迫害した者が福音を宣べ伝える」
使徒の働き 9章19節後半〜31節
 私たちは主イエスを救い主と信じ、バプテスマを受けた時、信仰的には最も高められ、福音をぜひとも親しい人たちに伝えたいと思うようになります。パウロの場合は、これまでクリスチャンを迫害するのに燃えていた思いが、そっくりそのまま同胞ユダヤ人に主イエスを宣べ伝えたいという切なる願いへと変えられました。

 I. 救われて直ちに福音を宣べ伝える。
 パウロ(この時の名はサウロ)は、バプテスマを受けて,食事をし、元気になり、数日の間、ダマスコの弟子たちとともにいました。そして、直ちに,諸会堂で、イエスを神の子であると宣べ伝え始めました(19-20節)。びっくりしたのはユダヤ人たちだけではなく、ダマスコの一般の人たちでした。彼らは、これまでの迫害者パウロがなぜ、このように主イエスを宣べ伝えているのか、わからなかったでしょう。彼らはみな、驚いてこう言いました。「この人はエルサレムで、御名を呼ぶ者たち(クリスチャンたち)を捕らえて、祭司長たちのところへ引いて行くためではないか」(21節)。ダマスコの人たちは、パウロが180度転換したのをまだまだ信じられなかったのです。無理もないことですが、パウロはいよいよ力を増して、イエスがキリストであることを論理的に証明して、そこに住むユダヤ人たちをうろたたえさせました。今日でも同じです。クリスチャンになって、始めて生き甲斐を見いだした人たちは、直ちにまだどう生きていいかわからずに迷っている若い人たちを放っておかないでしょう。

 II. 多くの人たちの助けを受けて福音を伝える。
 パウロの180度の転換をにがにがしく思っていた人たちは、数年経ってパウロを殺す算段を始めました。ユダヤ人たちにとってパウロは死んでもらった方が得策でした。パウロは当時の最高の学問を極めていた人たちの一人でしたから、敵に回ったらユダヤ人たちには障害以外の何者でもなかったのでしょう。彼らの陰謀はパウロに知られ、彼の弟子たちは、夜中に彼をかごに乗せ、町の城壁伝いにパウロをつりおろしました。こうしてパウロはユダヤ人たちの手から逃れることができました。また、パウロはエルサレムに着いて,弟子たちの仲間に入ろうと試みましたが、彼らはパウロを恐れ、受け入れませんでした。エルサレムの弟子たちとパウロとの仲を取り持つ最適な人物が現れました。彼の名はバルナバ(「慰めの子」という意味)と云い、エルサレムの大勢の弟子たちにパウロを紹介しました(27節)。合わせて、パウロが救われるようになった一部始終を説明しました。バルナバは、自分に与えられた賜物を生かして、その後の長いあいだパウロと教会に仕えました。パウロだけでなく、今日の弟子たちも多くの人々の助けを必要としています。私たちは多くの人たちに助けられて、福音を宣べ伝えて行くのです。
  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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