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「 人々を救うための主のご配慮」
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使徒の働き 10章1〜23節前半
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主イエスは生前、弟子たちとともにおられて、弟子たちの心と思いをすべてご存知でした(ヨハネ6:61,64,さらに2:24-25参照)。主が天に昇られてからは、当然のことながら、主が取り扱われる人々のことを何もかもご存知で、最も適切な啓示と導きを与えてくださいます。
I. 主は救いを求めている人々を顧みてくださる。
いよいよ異邦人(ユダヤ人以外の人たちはユダヤ人の立場からはみな、異邦人と言われていました)が登場します。コルネリオというイタリヤ隊の百人隊長で、全家族とともに主を畏れかしこみ、いつも神に祈りをしていました(1-2節)。彼は割礼は受けてはいませんでしたが、神を敬う人として、ユダヤ人と同じような信仰生活を送っていたのです。その上、裕福であった彼は、貧しいユダヤ人に施しをしていて、それも主に覚えられていたのです(4節)。彼に御使いが現れて、彼の名を呼んだとき、どんなにか恐ろしかったか想像できます(3-4節)。主はコルネリオを憐れんでくださって、主イエス・キリストによる救いにあずからせようと天からその機会を伺っていました。御使いは、シモン・ペテロをヨッパに訪ねるように命じ、彼は直ちにしもべ二人と敬虔な部下一人を遣わしました(5-8節)。このように主は、救いを求めている人々を顧みてくださり、コルネリオの場合は,直接の啓示でなすべきことを示し、今日では聖書のみことばや教会の説教、兄弟姉妹のあかしなどを通して、救いへと導いてくださるのです。
II. 主は救いのために他の人々にも働きかけてくださる。
他方、主は同時にペテロにも幻をもって、異邦人伝道に対する備えをさせてくださいました。それは、一行が旅を続けて、ペテロのいる町の近くまで来たころで、ペテロが昼の12時頃、祈りのため屋上にいた時でした。彼は天が開けて、不思議な幻を見たのです(11-16節)。それは、天から吊るされて、地上に降りて来た、大きな敷布のような入れ物の中に、地上のあらゆる種類の四つ足の動物やはうもの、また空の鳥がある幻でした。そして、「ペテロ。さあ、ほふって食べなさい」という声が聞こえました。その動物たちは、きよくない物や汚れた物だったので、ペテロが「主よ。それはできません」と答えたのですが、再び声があって、「神がきよめた物を、きよくないと言ってはならない」と言いました(15節)。これが3回繰り返されました。ペテロがこの幻の意味は何だろうかと思い巡らしていたとき、一行がペテロの泊っていた家の戸口に立ちました。そのとき、御霊が彼にはっきりと告げたので(19-20節)、彼は下へ降りて行き、一行を迎えました。ペテロはこうしてどんな人でもきよくないとか,汚れているとか言っては行けないこと、すべての人が救いにあずかるべきことを知ったのでした。 |
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