礼拝説教

2009年7月5日

「主イエスの御名によって悪霊に勝つ」
使徒の働き19章8〜20節

 初代教会においても今日においてもキリスト者の務めの一つはみことばを宣べ伝えることです。みことばを宣べ伝える目的は、みことばを聞いた人たちが心を開いてみことばを受け入れ、救い主イエス・キリストを信じることです。一方、初代教会において顕著なことがあります。それは、特に使徒たちが持っていたことですが、福音を語る時に、しばしば奇蹟が伴ったことです。

 I. 使徒たちはすべての人々にみことばを語った。
 パウロは、エペソで2年3ヶ月の間、毎日福音を語り、神の国について論じました。それでアジヤ(現在のトルコを中心とした小アジヤ地方)に住む者はみな、ユダヤ人もギリシヤ人も主のことばを聞きました(8-10節)。パウロを初め使徒たちの目的は、復活の主、イエスの証人となってすべての人々に福音を語ることですから(1:8参照)、これで使命は果たしたことになるのでしょうか。もちろん、福音を聞いた人たちが心を開いて、主イエスを信じることにつながらなければなりません。しかし、それは人間的な力でできることではなく、主ご自身がしてくださることです(16:14-15参照)。主は、後で見るように、使徒たちの奇蹟や不信仰者たちの失敗をも用いて、人々に主を畏れる気持ちを与えて、主イエスの御名があがめられるように導きます(17節)。そしてこれまで偶像に支配されていたも者たちは、その生き方から全く解放されて、魔術に関する書物をみなの前で焼き捨てたのです(19節)。こうして主みことばは驚くほど広まって行くのです(20節)。

 II. 使徒たちはイエスの御名によって奇蹟も行なった。
 今日の箇所では、パウロの手によって驚くべき奇蹟が行なわれたことが記されています(11-12節)。あたかもパウロが身につけていた手ぬぐいや前掛けに主イエスの御力が乗り移って、病人のいやしや悪霊を追い出すことができたように見えます。今日でも多くの人たちが頼っているお札のようなものでしょうか。いいえ、違います。あくまで主ご自身が、パウロの身につけていたものを用いて奇蹟を行なった、と言えます。このときパウロは「主イエスの御名」を用いたので、それをユダヤ人の魔よけ祈祷師たちがまねをしました。彼らは主イエスを信じていません。しかし、彼らは試しに、悪霊につかれている者に向かって、「パウロの宣べ伝えているイエスによって、お前たちに命じる」(13節)と言ったのです。その結果は哀れなものでした(15-16節)。悪霊の力を過小評価してはなりません。彼らは人間よりずっと力があります。しかし、彼ら悪霊どもも「主イエスの御名」の持つ権威には勝つことができません。悪霊は、本当に信じているものがイエスの御名を用いると、人から出て行かなければなりません。彼らは敗北するのです。イエスの御名には権威があるのです。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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