礼拝説教

2009年9月20日

「異邦人がクリスチャンを守る」
使徒の働き 21章27〜40節

 私たちは様々な宗教を持った多くの人たちに囲まれて生活しています。私たちのこの世の人たちとの付き合いは、一般的にはスムーズに行っていると言えるかもしれません。それは、宗教上の問題で互いにぶつかることがないから、とも言えますが、多くの人たちがむしろ善意をもって私たちに接しているから、とも言えるでしょう。確かに私たちは、この世の多くの人たちに助けられています。パウロの時代も同様でした。

 I. 同胞のユダヤ人が群衆をそそのかし、パウロを迫害する。
 パウロと4人のユダヤ人キリスト者が行なった主を畏れる試みも、悪意をもったユダヤ人には効果がありませんでした。きよめの7日の期間がほとんど終ろうとしていたころ、アジヤから来たユダヤ人が、パウロが宮にいるのを見て、全群衆をあおりたて、根拠のない悪意に満ちた宣伝をして(27〜28節)、パウロを捕らえ、殺そうとしました(30節)。パウロが宮にいたというだけで、よく調べもしないで、悪い噂を流すのです。彼らは最初からパウロやその仲間たちに敵対し、機会あらば捕らえて、亡き者にしようとしていたのです。今日でもそのような悪意のある人たちがいない訳ではありません。イスラム圏ではキリスト者は迫害を受ける場合が多いのですが、彼らは真理である主イエスと聖書を知らないのです。しかし、誤解に基づく悪意には、悪意で向かうべきではありません。イスラム圏に派遣されている宣教師たちは、身につけている知識や技術とともに愛と善意と忍耐をもって福音の真理を伝えているのです。

 II. 異邦人のローマ人がユダヤ人からパウロを守る。
 エルサレム中が混乱状態になり、ユダヤ人たちはパウロを殺そうとしていました。しかし、町の治安をあずかっているのは、ローマ人であり、直ちに千人隊長が兵士たちを引き連れて、現場に直行しました。人々は千人隊長を見て、パウロを打つのを止めました(32節)。エルサレムの治安が乱れれば、ローマから派遣された、総督や隊長たちの責任になります。だから、混乱状態を静めるのです。しかし、それは不正を正し、秩序を保つためであって、決して福音に理解を示したり、パウロをぜひ救助したいと思っているわけではありません。でも結果的にパウロは助け出されるのです(34〜36節)。今日でも同じです。多くの公務員と言われる人たちは、特別にクリスチャンに対して好意的であるとは限りませんが、善良な市民であるクリスチャンに好意的であり、守ってくれます。私たちが愛と正義をもって生きているならば、もし誰かから不当な迫害を受けた場合、私たちは守られます。異邦人の人たちがクリスチャンを守るのです。「今日のみことば」を読み、考えてみましょう。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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