礼拝説教

2010年4月18日

「良い働きを完成させてくださる方」
ピリピ人への手紙 1章1〜8節

 これからピリピ人への手紙を取り上げて、礼拝のメッセージをして行きます。ピリピ人への手紙は、パウロがローマで獄中生活をし、裁判を受けながら、その間にピリピ教会の人たちに宛てて書いた手紙です。全体で4章しかない短い手紙ですが、喜びと感謝と愛にあふれた心温まる手紙です。この手紙を通して私たちは、祝福された信仰生活について多くのことを学ぶことができるでしょう。

 I. 良い働きを始められた方
 この手紙は、パウロとテモテからピリピにいるすべての聖徒たち(教会員)と監督(今日の牧師)と執事たち(今日の役員)に宛てられたものです。まず最初にパウロは、ピリピの教会のすべてのことを思っては神に感謝し、彼らすべてのために喜びをもって祈り、彼らが最初から今日まで福音を広めることに与って来たことを感謝しています。パウロがピリピの町を訪れ、福音を宣べ伝えたのは彼の第二回伝道旅行の時でした(使徒の働き16:11以下、紀元49〜52)。最初の教会員たちは、ルデヤとその家族、看守とその家族などでした。早くもルデヤはその家を開放して、パウロたちの伝道活動の拠点にしていますから、少なくない人たちがルデヤの家の教会に集っていたと思われます。このように「あなたがたのうちに良い働きを始められた方」は、神様であり、その良い働きとは、彼らの救いのことです。彼らはパウロを通して福音を聞き、信仰に入りました。それは決して人間の意志によったというのではなく、まさに神様がしてくださった良い働きなのです。

 II. 良い働きを完成させてくださる方
 神様は、救いに入れてくださった人をそのまま放って置く方ではありません。救われた私たちを、最後まで目に掛け、気に掛け、心に留めてくださる方なのです。それはパウロの祈りにあることを主がしてくださるからです(9〜11節)。しかし、そのために私たちの努力も必要です。つまりパウロの祈りに答えられるように私たちも務めるのです。むしろ、私たちの努力をも主がさせてくださる、と言った方が良いかも知れません。私たちの救いの完成は、主イエスが再び来られる時です。その時までに完成させてくださるのです。ピリピの教会の兄弟姉妹たちは、最初の日からパウロの伝道の働きに加わっていました。それは信仰の成長に大変役立ちます。彼らはまた、パウロの裁判の時もいっしょにいて、彼が福音を弁明し立証する時も、祈りつつ、いわば証人となって彼を助けたのでしょう。このこともパウロが確信しているように(7節)、彼らの信仰の成長、救いの完成に大いに役立っているのは言うまでもありません。以上のように、私たちを恵みの救いに入れてくださった方は、キリストの再臨の日に、救いを完成させてくださるのです。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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