礼拝説教

2010年5月30日

「キリストの福音にふさわしい生活」
ピリピ人への手紙1章27〜30節

 クリスチャンには二つの国籍があります。一つはこの地上で生活している私たちが持っている国籍であり、もう一つは天にある国籍です。天の国籍があるから、私たちは、主に召されたとき、無条件で天国へ行くことができます。しかし、生き長らえている間は、それぞれ置かれたところで、市民権を正しく行使しなければなりません。それは、キリスト者として、キリストの福音にふさわしい生活をすることです。それはどういう生活でしょうか。

 I. 霊を一つにしてしっかりと立ち、ともに奮闘する
 パウロが言っている「キリストの福音にふさわしく生活しなさい」の「生活しなさい」は、「御国の民の生活をしてください」(新改訳別訳)の意味があります。元々はローマの市民権を持っている人たちが、国政に携わるなど(市民としての生活をおくる)の意味です。キリスト者としては、福音にふさわしい生活が求められます。それは、第一に、霊を一つにしてしっかりと立ち、心を一つにして福音の信仰のために、ともに奮闘することです(27節)。ピリピの教会がしなければならないことは、兄弟姉妹たちがばらばらでなく、霊と心で一致を保ち、福音のために戦うことでした。そうすれば、パウロに反対し、教会の人たちを惑わす反対者たちに驚かされることはないのです(28節)。反対者たちは、福音の中心である十字架と復活にそむく、にせ福音を語っているのでしょう。彼らにとっては、それは滅びのしるしであり、ピリピの人たちにとっては救いのしるしです。今日でも同じです。福音宣教のためには、教会が一致して当たらなければなりません。

 II. 苦しみをも賜ったので、パウロと同じ戦いを戦う
 キリストの福音にふさわしい生活の第二は、キリストのために苦しむことです。「あなたがたはキリストのために、キリストを信じる信仰だけでなく、キリストのための苦しみをも賜ったのです」(29節)は、大変重いことばです。私たちは恵みによって、イエス・キリストを信じる信仰が与えられ、事実イエスを救い主と信じることができました。主イエスの十字架と復活による贖い・救いの意味を理解できました。その恵みは喜んで受けたいと思います。では、キリストのために苦しむことはどうでしょうか。多くの人は、それは避けたいと思います。しかし、救いだけをいただいて、苦しみは返上することはいけないことです。なぜなら、キリストご自身から苦しみをも賜っているからです。それは具体的には、パウロと同じ戦いを経験することです。ピリピの人たちは、パウロの戦いを先に見ました。今また聞いています。それと同じ戦いを戦うことは、すなわちキリストのために苦しむことなのです。しかし、それは救いが本当にその人のものとなっている証拠ですから、喜ばしいことなのです。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
静岡県富士市今泉2640-15 TEL&FAX:0545-52-6382