礼拝説教

2010年7月4日

「りっぱな働き人テモテ」 
 ピリピ人への手紙 2章19〜24節

 老牧師と若い牧師がともに協力し合い、助け合って、福音宣教のために働いている姿を見ることは、大変励まされることでしょう。パウロとテモテはまさにそのような関係にある働き人でした。そしてパウロがテモテをどのように見ているのか、どのように評価しているのか、今日の聖書箇所から考えてみましょう。

 I. テモテはピリピの人たちのことを真実に心配している。
 パウロは今ローマの獄中にあります。すでに裁判も何回か開かれました。彼は有罪になるでしょうか。それとも釈放されるでしょうか。パウロは、間もなく釈放され、ピリピの人たちのところへ行けると確信していたようです(24節)。とにかく、彼の裁判の結果がわかり次第、まずテモテを遣わしたいと考えていました(23節)。テモテは、幼い時から祖母ルイス、母ユニケの信仰を受け継いで、聖書に親しみ、信仰を持ちました(IIテモテ1:5、3:14〜15)。その後、パウロの第2回伝道旅行の途中、ルステラでパウロに見出され、パウロの弟子となって、生涯パウロに仕え、さまざまな困難の中で行動を共にしました。そのテモテは、パウロと同じ心になって、真実にピリピの人たちのことを心配しているのです(20節)。だから、テモテによってピリピの人たちの様子がわかれば、安心し、励ましを受けることができます。私たちはテモテから何を学べるでしょうか。何か大きなことをして上げられなくても、誠実に、真実に相手のことを思い、心配し、祈ることができれば、それは実に素晴らしいことをしていると言えるでしょう。

 II. テモテは子が父に仕えるようにして、福音に奉仕して来た。
 使徒パウロは、類いまれな学識を持った使徒であり、当時の多くの人々に福音を宣べ伝えた伝道者であり、自ら建てて行った幾多の教会のすぐれた牧師・教師でした。しかし、パウロ一人では、あのような多くの働きができなかったでしょう。パウロの伝道旅行には、例えばバルナバがおり、シラスがおり、テモテがおり、ルカがいました。その他にも大勢の兄弟姉妹たちがパウロの伝道牧会を助けたのです。中でもテモテは、子が父に仕えるようにして、パウロとともに生涯福音に仕えました。パウロはテモテの働きを「りっぱな働きぶり」と評価しています。このことばは、「試験の結果、良しと認められたこと」「実証済み」の意味です。その通りにテモテは忠実に主に仕え、同時にパウロに仕えました。パウロは幾多の迫害、苦難を経験していますが、それは同時にテモテも受けたのです(IIテモテ3:10〜11)。しかし彼は、信仰の勇者と言われるような人ではなく、純粋で、心優しい性格の持ち主でした。この点でも、テモテは私たちの模範としたい働き人なのです。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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