礼拝説教

2010年9月5日

「主にあって一致を・神にあって祈りを」
ピリピ人への手紙 4章1〜7節

 理想的と思われるピリピの教会にも若干の問題があったようです。それは、有能な働き人たちの間に一致がなかったことです。教会に一致がないと、全体の働きに支障を来すことがあります。また、教会に必要なことは、いつも感謝をもってする祈りです。パウロは今日の箇所で、一致と祈りを勧めています。

 I. 主にあって一致を
 パウロがいかにピリピの教会を愛していたかは、彼らに対する呼び掛けのことばでわかります。「私の愛し慕う兄弟たち」「私の喜び、冠よ」「私の愛する人たち」(1節)。パウロにとってピリピの教会の兄弟姉妹たちは、喜びそのものであり、主イエスにお会いしたとき、主からいただける栄光の冠そのものなのです。この手紙で、すでにパウロは、兄弟たちの一致を呼びかけています(2:2)。その一致を保つための条件を4つ上げ(2:1)、さらにその一致を確保するためにへりくだりが鍵であると述べています(2:3)。パウロがこの4章で、二人の有力な女性に一致を勧めているのも、彼らに高ぶりがあったのでしょう。ユウオデヤには“順調な旅”、スントケには、“めぐり逢い”の意味があります。二人はパウロの同労者として、福音を広めることに協力しています(3節)。「一致する」は、「同じことを考える」が原義です。二人は、恐らく伝道方法などにおいて考え方の一致が必要だったのでしょう。そのために「真の協力者」の“助け”も必要です(3節)。

 II. 神に対して祈りを
 キリスト者にとって、どんな時、どんな状況に置かれても、必要なのは「喜び」です。この手紙は“喜びの書簡”と言われるように、いつも喜び続けることを勧めています(4節)。また、あなたがたの「寛容な心」をすべての人に知らせなさいと命じています(5節)。このことばは、他に「思慮のある、思いやりのある、やさしい」という意味があります。キリスト者は、としばしば謙遜すぎて自分たちの素晴らしい性質をしまっておきがちです。時には人々に知ってもらうことが必要です。何しろ「主の日は近いのです」から。
 次いで「祈り」を勧めています。そのためには、全面的に主に信頼し、あらゆる事柄を主に委ねることが必要です。そのためには、「何も思い煩わない」(思い煩いを止める)ことが前提条件です。「祈り」は、礼拝や個人的なデボーションなどで神に対して呼びかける一般的な祈り。「願い」は、個人的な必要を心から願い求めること。「願い事」(複数)は、願い求める具体的な事柄に強調点があります。そうすれば主からすばらしい恵みをいただくことができます(7節)。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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