しばらく離れていたコリント人への手紙第一に戻ります。この手紙の最後の所でパウロは、残っていたいくつかの事柄に触れています。生きている教会は、大きな問題もありますが、細々として事柄が、かえって重要な場合があります。それらを教会としてどう取り扱うかで、祝福されるかそうでないかが試されるからです。パウロはどのように扱い、また必要な指示を与えているでしょうか。
I. 献金集めと取り扱いには注意が必要
当時のエルサレムの教会は、貧しい人たちが少なくなく、経済的に援助する必要があったようです。コリントの教会も聖徒たちへの援助に関心があり、献金についてパウロに問い合わせをしています(1節)。それに対する彼の答えの中に、献金に対する原則を見ることができます。まず献金は、週の初めの日に、各自自主的に、収入に応じて、手もとにおいて、後で必要な時に集めることです(2節)。このように献金は、自主的にすることと、決まった日を定めてすることです。そうすれば祝福のうちに集められるでしょう。そして、コリントの兄弟たちの承認を得られた人たちに託してエルサレムに届けるのです。必要ならばパウロも同行します(3〜4節)。献金の取り扱いには、細心の注意が必要ですから。
II. 旅の計画は主のお許しの中で
パウロにはコリントの教会に行く計画がありました。今必要があるのでエペソに滞在していますが、旅の途中でなく、最初からの目的をもって、コリントに行き、しばらく滞在し、そこの兄弟たちに送ってもらって、次の訪問地に向かうつもりでした(5〜6節)。コリントには多くの賜物のある兄弟姉妹がたくさんいました。しかし、同時に分裂や分派、道徳的に見ても問題のある人たちがいました。彼らに教理的・実際的に必要な知識を与えたかったのでしょう。しかし、あくまで主のお許しが先行します(7節)。
III. テモテなど同労者への配慮が必要
パウロには、愛する弟子であり、霊的な息子であるテモテがいました。彼をまず教会に送り、さまざまな問題の解決の糸口を与えようと思ったのでしょう。テモテは、パウロと同じように、主のみわざに励んでいる立派な働き人です。だから、だれも彼を軽んじてはいけないのです。彼のしばらくの滞在とパウロの許への送り出しをお願いしています(10〜11節)。さらにアポロについても、コリントの教会に行くように強く勧めています。しかし、彼は今はまだ、行かないつもりのようです(13節)。パウロはすべての行動の背後に「主のみこころ・主の許し」を見ていました。その上、兄弟たちへの温かい配慮を見ることができ、私たちも彼から教えられる所が多いのです。 |