私たちがイエス・キリストを救い主と信じることができるのは、すばらしい恵みです。元々私たちには、本当の意味で目に見えない神を信じる信仰がありません。その信仰を神はあわれみによって与えてくださいます(ヨハネ6:44参照)。そしてその信仰はさらに強くされます。その間の事情を聖書から学びましょう。
I. イエスのことばによって信じる
サマリヤで2日間を過ごしてから、イエスはガリラヤに行き、人々から歓迎を受け、再びガリラヤのカナに行かれました。そこに、カペナウムに病気の息子がいる王室の役人がいて、イエスに会いに来ました。彼は、息子が重い病気で死にかかっていたので、下ってきて息子をいやしてくださるように願いました。ところが、イエスは「あなたがたは、しるしと不思議を見ないかぎり、決して信じない」と言われました(48節)。これは王室の役人を含めてユダヤ人全体に対して言われたことばです。確かにガリラヤ人がイエスを歓迎したのは、イエスが祭りの間にエルサレムでなさったわざを見たからでした(45節)。役人は諦めきれず、「主よ。どうか私の子どもが死なないうちに下って来てください」と切にお願いしました(49節)。しかしイエスはこう言われたのです。「帰って行きなさい。あなたの息子は直っています。」(50節)役人はどうしたでしょうか。その人はイエスが言われたことばを信じて、帰途につきました。イエスは真実な方であり、いやす力のある方だから、きっと息子は直ると信じたのでしょう。
II. 息子が直っていることがわかって信じた
カナからカペナウムまで26キロくらいあります。普通の徒歩の速さなら6時間半くらいかかります。役人は帰って行く途中、恐らくその中間辺りで、そのしもべたちに出会いました。何と、息子は直ったことを告げられました。そこで子どもが良くなった時刻を尋ねると、「きのう、第7時に熱がひきました」と言いました。彼は、イエスが「あなたの息子は直っている」と言われた時刻と同じだと知りました(53節)。そして彼自身と彼の家の者がみな信じたのです。役人は、この短い時間の中で2回イエスを信じています。最初は、イエスのことばによって信じました。イエス様だからきっとおことばどおりにいやしてくださると信じて、帰途につきました。2回目は、イエスが言われた時刻と同じ時刻に息子が直ったことを知って、さらに信じたのです。今度は、体験に基づくより確かな信仰と言えるでしょう。私たちが信仰生活を送って行く中で、主から罪のゆるしや恵みやいやしをいただきます。その時、私たちの主の恵みと信仰は成長して行くのです(IIペテロ3:18参照)。それは主がくださるすばらしい恵みです。 |