礼拝説教

2012年11月4日

「信仰を妨げるもの」
ヨハネの福音書 6章52〜65節

 初めて教会に来られた人がしばしば経験することは、教会では、この世で日常的に聞いたことのないことばが話されることです。キリスト教の基本的なことばに「神、罪、救い、信仰」がありますが、これも聖書的な意味では一般には使われないことばです。ですから、聖書の教えに耳を傾けて理解するように務めないと、なかなか真の信仰に入ることができません。実はユダヤ人の指導者たちも同じでした。

 I. みことばを正しく理解しない
 ヨハネの6章でイエスが繰り返して使っていることばは、「わたしは天から下って来たいのちのパンです」と「わたしを信じる者は永遠のいのちを持ちます」と考えられます。このことばを中心としながら、さらに大切なことを付け加えて、ユダヤ人やイエスの弟子たち(12使徒以外にも大勢の弟子たちがいました)に長いメッセージをしています。それは、これまで聞いたことのないような表現もありました。「人の子の肉を食べ、またその血を飲まなければ、あなたがたのうちにいのちはありません」(53節)のイエスのおことばは、文字通りにとったら、極めておかしなことになります。これはイエスを信じることによって得られる救い、永遠のいのちを語ったものです。また、52節以下は51節から発展させて、キリストとの深い霊的な交わりについても語っています(このことは次週取り上げます)。これらのことをユダヤ人たちは理解できませんでした。また、理解し、イエスを救い主と信じようとしませんでした。このような態度は真の信仰を妨げるものです。

 II. 御霊が働かない
 イエスが続けて話されるメッセージは、ユダヤ人のみならず大勢いた弟子たちにも反発を生みました。「これはひどいことばだ。そんなことをだれが聞いておられようか」(60節)と彼らは言いました。イエスが話されたことばをただこの世にある物質的なものと考えてしまえば、救いの中に入ることができないのは当然です。食べてなくなってしまうこの世のパンは、イエスの言われる「肉」です。それは、何の益ももたらしません。「いのちを与えるのは、御霊です」(63)。では御霊とは何でしょうか。それはイエスが話されたことばを聞いた者に働く御霊のことです。イエスのおことばとともに御霊が働いてくだされば、人は救われます。しかし、イエスのおことばに反発し、その意味を正しく理解しようとしなければ、御霊は働きません。ユダヤ人の指導者や弟子の多くの者たちにも聖霊は働きません。それは非常に悲しいことです。私たちの場合はそうであってはなりません。素直に耳を傾ける人たちに御霊は働いてくださり、永遠のいのちを自分のものとすることができるのです。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
静岡県富士市今泉2640-15 TEL&FAX:0545-52-6382