礼拝説教

2013年1月6日

「わが国と世界の平和のために祈る」
IIコリント5:14-21、ミカ4:1-5

 わが国においては、1945年8月15日に太平洋戦争が終わり、以後外国との間の戦争はありません。ずっと平和が続いています。しかし、目を世界に転じれば、第二次世界大戦は終結してから、中東を中心にこれまで、いくつかの国々の間の戦争や紛争が絶えません。またわが国も昨年から特に尖閣諸島の領有権をめぐる問題や竹島問題で中国や韓国との間がギクシャクしています。私たちはわが国と世界の平和のために祈らなければなりません。平和が実現する鍵は何でしょうか。

 I. 平和をもたらすものはキリストの福音である
 戦争や争いの原因は罪であることを私たちは知っています(ヤコブ4:1-2)。隣の土地との地境を移して、少しでも自分の領地を増やすことは、当然罪であり、犯罪でもあります。それが国と国とに及べば、当然、紛争に、やがて戦争へと拡大します。かつてあったイラン・イラク戦争の原因の一つは両国の間を流れている川の境界線をめぐっての争いでした。国益という名のもとに、あたかも自国の利益になれば、正義であり、その戦いは聖戦と考えてしまうほどに、国と国との争いは愛国心を駆り立てます。しかし、不正なことをして相手の国の物を略奪することは、罪であり、犯罪です。人間の中に罪があって、それが争いの原因だとすれば、戦争や紛争を解決するためには、罪の解決がまず必要です。イエス・キリストは、十字架にかかって死んでくださり、神と人との間の敵意を取り除き、和解させてくださいました。それが和解の福音です。神と和解した私たちは、人と人との間も和解することができます。神は私たちに和解の福音を委ねておられます。私たちはキリストの使節なのです(IIコリント5:18-20)。

 II. 真の平和はキリストの再臨の時に実現する
 福音によって世界の平和は実現するでしょうか。すべての人々が主イエスを信じることができたなら、恐らく大きな争いはなくなるでしょう。国内においても世界においても、隣人のしあわせを考え、相手の国々の人々のことを配慮して、より多くのものを与えるようになるので、近くから遠くまで平和な関係ができるでしょう。しかし現実には、平和な世界の実現は困難です。人間の罪が解決しないからです。だから、本当の平和は、主イエス・キリストの再臨まで待たなければなりません。終わりの日に、すべての国々の人々が、主の宮にやって来て、主を求め、主の教えに耳を傾けるようになります(ミカ4:1-2)。主イエスは最後の時には、正しい裁き主として来られ、正しい者には祝福を、悪者には判決を下します。それはすべての国々にまで及びます。こうして人々は戦いを止め、武器を平和な道具に作り替えて、もう二度と戦いのことを習いません(3節)。人々は豊かな穀物や果物を収穫し、誰にも脅かされず、平和な時を享受します。だから一番必要なことは、いつまでも主の御名によって歩むことです(4-5節)。早くそのような時代が来るように祈らなければなりません。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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