礼拝説教

2013年8月18日

「ラザロのよみがえりの結果」
ヨハネの福音書 11章47〜57節

 死んで4日もたったラザロがよみがえったという驚くべき奇蹟が周りに人たちに与えた衝撃は、とてつもなく大きかったことでしょう。当然のことながら、いい結果をもたらす場合は、多くの人がイエスを信じますし、悪い結果となる場合は、もともとイエスを憎んでいた人たちは、イエスにますます敵対することになります。

 I. 多くのユダヤ人がイエスを信じた
 イエスの周りには、指導者たちを含めて、多くのユダヤ人たちが弟子たちと共にいて、イエスのなさることをつぶさに見ていました。マリタ、マリヤ、ラザロの姉弟たちの周りにもユダヤ人たちがいて、兄妹たちにかなり好意的だったようです。ラザロのよみがえりというすばらしい出来事を見た多くのユダヤ人が、イエスを信じました(45節)。しかし、その信仰の程度の差は記されていません。ヨハネの福音書のキーワードの一つはこの「信じる」という動詞ですが、信じた人々の信仰の度合いはまちまちです。すでにメッセージの中で触れたように、イエスがご自分の真理について話された時、多くの者がイエスを信じました(8:30)。しかし彼らの信仰は表面的で、彼らの理解も非常に浅く、彼らはイエスから「あなたがたは、あなたがたの父である悪魔から出た者」(8:44)と言われてしまったのです。結局彼らはイエスを信じていないのです(8:45)。従って、ラザロの奇蹟を見て信じたユダヤ人も、その信仰の度合いはまちまちであったと考えられます。

 II. 指導者たちはイエスを殺す計画を立てた
 彼らのうちの幾人かは、早速パリサイ人たちのところへ行って、イエスのなさったことを告げました(46節)。彼らはイエスを信じ、愛し、信頼するという形ではなく、イエスに最も敵対しているパリサイ人にイエスの奇蹟を報告したのです。そこで祭司長とパリサイ人たちは、サンヘドリンと呼ぶ最高議会を召集して、イエスをどうするか協議しました。彼らは、宗教的には対立していたのですが、イエスをどうするかという点では一致したのです。彼らはイエスが行った多くのしるしに非常な危機感を持っていました。このままでは、彼らの統治能力を疑われて、ローマがユダヤ人を直接支配するようになると心配しました(48節)。それを防ぐために、議会の議長役を務める大祭司カヤパが50節のことをすべきと提案したのです。これはいみじくも、大祭司としてのカヤパが、イエスがすべての人のために死んで、イエスを信じる人たちが救われる十字架を預言したのです(51-52節)。イエスの十字架の死は、表面的には、彼ら祭司長やパリサイ人たちの意図とも一致しました。こうしてその日から、彼らはイエスを殺すための計画を立てたのです(53節)。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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