礼拝説教

2013年9月8日

「ロバの子に乗って入城される王」
ヨハネの福音書 12章9〜19節

 王として凱旋する時、その王はたくましい軍馬に跨って、壮大な門を通って入城するでしょう。しかし王であるイエスは、背の低いロバの子に乗ってエルサレムに入城しました。その事実と意味を考えてみましょう。

 I.イスラエルの王として入城
 イエスは、マルタやマリヤ、ラザロの姉弟たちと晩餐のひととき過ごしたその翌日、大勢の人たちに迎えられて、エルサレムにやって来ました。この時は、ラザロのよみがえりの結果、大勢のユダヤ人たちが、祭司長たちなどユダヤ人の指導者たちのもとを去って、イエスを信じるようになっていました(11節)。人々はしゅろの木の枝を取って、大声でイエスに対して叫びました(13節)。「ホサナ」は「どうぞ救ってください」の意味のヘブル語の音訳で、群衆の叫んでいることばは、詩篇118:25-26から取られています。イエスがロバの子に乗られるために、すでに近くの村でろばと一緒に子ろばが繋がれていることをご自分は知っておられ、弟子たちに連れてくるように命じておられます(マタイ21:1-3参照)。イエスはロバの子に乗って、入城されるのですが、あくまでもイスラエルの王として入城されます。イエスは、ダビデの家系を継ぐ、ユダヤ人の王ですが、それ以上の神の国の王としてこの世に来られたのです。イエスを信じる者が神の国に入ることができます。

 II. 柔和な王として入城
 イエスがロバの子に乗ってエルサレムに入城されたのは、ゼカリヤ9:9の預言の成就としてでした。初め、弟子たちにはこれらのことがわかりませんでした。イエスが十字架にかかられて死に、三日目によみがえられて、天に上られてから、すなわち栄光を受けられてから、人々がイエスに対して行ったことを、彼らは思い起こしたのです(16節)。イエスがロバの子に乗って、エルサレムに入城されたのは、人々に救いをもたらし、平和をもたらすためにこの世に来てくださったイエスにいかにもふさわしい仕方でした。イエスは王として来られた方ですが、鞭をもって、鉄の杖をもって人々を支配しようとはされず、あくまでも柔和でへりくだって来られ、人々に救いと平和をもたらしたのです。パリサイ人たちはどうしたでしょうか(19節)。彼らは救いから遥かに遠いのです。私たちはどうすべきでしょうか。イエスを信じましょう。そして救われたことを感謝し、心からイエスに従い、イエスに見習って、柔和で謙遜な信仰生活を送りたいと思います。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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