礼拝説教

2014年2月16日

「助け主・聖霊の、教え、思い起こさせる働き」
ヨハネの福音書14章25〜31節

 イエスは、弟子たちと共に過ごしていた時に、神の御子キリストのしるしとしての奇蹟を行い、必要な真理を教え、最期に十字架と復活と昇天という贖いのみわざを完成しました。しかしペンテコステの日までは、弟子たちは主イエス・キリストの本当の姿や教え、なさった奇蹟、救いのみわざについて完全には理解していませんでした。このためにもペンテコステの日に与えられる聖霊は重要です。

 I. 助け主は弟子たちにすべてのことを教える
 この日に、主が前もって約束しておられたように、弟子たちはすべての真理に導き入れられました(ヨハネ16:13参照)。この日のペテロの説教からわかるように、彼は、主イエスの十字架とよみがえりが神の定めた計画と神の予知によるものであること、それは旧約聖書に預言されていたことであったことが、すっかり理解できました(使徒2:23-32)。そして約束の聖霊も、聖書の預言に基づいて、天にあげられた主イエスが御父から受けて、注がれたこともわかったのです(16-21、33節)。さらにペテロは、主が天に上げられ、神の右の座に着かれたことは、イエスが、ただの預言者ではなく、「主とも、キリスト(メシヤ=救い主)ともされた」方であるのに、何とあなたがたは、十字架につけてしまったのです(34-36節)、と責めたのです。これまでの弟子たちはイエスの十字架からできれば目をそむけたいと思い、従ってよみがえることも理解していませんでした。主の復活と顕現が多くのことを弟子たちに理解させましたが、なお完全な理解は、助け主・聖霊の働きによるのです。助け主はまさにイエスの代わりに弟子たちを教える教師なのです。

 II. 助け主は弟子たちにすべてのことを思い起こさせる
 イエスは地上における公生涯の間、弟子たちの前でご自分が神の御子キリストであることの証拠として、数々のしるし(奇蹟)を行い、同時に必要なことをすべて教えられました。ペンテコステの日は、弟子たちがイエスの教えを完全に理解する記念すべき日でありましたが、それと深い関わりのあるイエスのみわざと教えを正しく思い起こした時でもあったのです。それはやがて弟子たちが福音を語り、今日の新約聖書を書く時にも働いたことは言うまでもありません。例えばヨハネの福音書は、著者ヨハネが90歳前後に書いたと言われています。何とイエスの十字架と復活の出来事から60年も経っているのです。どうしてヨハネは当時の出来事をあたかも今日目撃しているようにいきいきと書けたのでしょうか。それは助け主・聖霊の働きによるのです。このように福音書や使徒の働き、多くの手紙、最後の黙示録に至るまで、聖書を誤りなく正しく書くためには、助け主・聖霊の働きが必要です(16:13参照)。このことについては、次の機会に改めて取り上げます。

  今泉キリスト福音教会 牧師:岡本 昭世 【説教インデックスへ
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